「靴を作るが靴職人と呼ばれるのはちょっと・・・」つくりて野島と新人マキコのブログ

京都の手作り靴工房「吉靴房」で毎日手作りで靴を作る日々。 そして靴以外にも好きなものがあり、製作の合間の出来事も赤裸々に綴っていきます。 基本的にインドアなので、漫画、ゲーム、歴史、科学などなど。 靴作りと好きなことを中心に毎日更新します。 このブログは靴のつくりて野島とこれから初めて靴作りを学ぶ新人マキコの2人でお届けします。

タグ:草履

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『お知らせ』
現在のオーダーメイド完成予定時期は
2022年2月末完成、2022年3月初旬お届け予定となっております。
どうぞよろしくお願いいたします。

オーダー方法についてはこちらをご覧くださいませ。
http://kikkabo.livedoor.blog/archives/cat_323072.html


靴磨きも承っております。是非ご利用くださいませ。
http://kikkabo.livedoor.blog/archives/22615170.html
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こんばんは。野島です。

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革下駄という商品は独立前から作っていたもので、日本の履き物を製靴家として作るアイコン的なデザインとなっています。


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じょんじょんは現代的草履を革下駄と同じ製法で10周年の時に作ったものです。

YouTubeで紹介させていただきましたので是非ご覧くださいませ。
それではまた明日。

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お問い合わせは野島まで。よろしくお願いします。
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吉靴房では足の採寸を広める活動をしていきます。
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ご興味ある方はご一報くださいませ。

nojima@kikkabo.jp
075-414-0121

どうぞよろしくお願いします。
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こんばんは。野島です。



吉靴房の中で草履型の鼻緒サンダルは特別なものです。
そもそも独立前から作っていたものということもありますが、僕自身が子供の頃から最も気に入って履いていた履物だったというのが一番大きな理由です。




覚えている限りでは小学生の頃、靴の脱ぎ履きが面倒で、どこに行くにもゴム草履を履いていたこと。
夏の朝、岩城神社でのトレーニングにスニーカーではなくゴム草履を履いて行き、先生にも同期にも笑われたこと。


こんな思い出を書いているときに出てくるゴム草履は常に「じょんじょん」と呼んでいました。

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今思えば静岡はゴム草履の生産地として有名ですし、そもそも駿河の下駄の生産地としても有名です。


でも僕の地元ではぞうりのことを「じょんじょん」と呼んでいました。
同郷のみなさんそうでしたよね?






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この作品は地元でのこの呼び名から付けました。
吉靴房10周年のときのことです。






面白いもので今でもぞうりのことをじょうりと呼ぶ地域が全国に多くあります。
特に年配の方でじょうりと呼ぶ方が多いはずです。





潮田鉄雄著
ものと人間の文化史8「はきもの」にもその分布図が描かれていますが、全国各地、特に都会から少し離れた地域に多く残っています。




ただ、このじょうりという呼び方、軽率にぞうりの訛りと断言をしてしまうことは出来ません。




平安時代のから残る文献に、草履と浄履(じょうり)と両方見られるからです。
室町時代にも江戸時代にも両方文献が残っています。


僕の仮説ですが、日本における履物は、結界を出るものという意味合いもあることから、浄化するための履物という意味があって、この呼び名がついたのではと思っています。



藁草履と同じ素材の注連縄も結界の役割を持っています。
いかがですか?考えさせられますよね。



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このようなことに思いを馳せながら、このデザインは10周年記念作品として作り上げました。






革で履物を作る。
革で下駄を作る。
そして革でぞうりを作る。




つくりて野島としてはとても自然で、どうしても作りたかったデザインです。





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革下駄ですとボリュームがあって敬遠されていたお客様もこちらのじょんじょんは大変気に入っていただいております。



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細身のシルエットのボトムから太めのシルエットまで非常に相性が良いです。




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是非一度お試しくださいませ。






























昨日の日本代表の試合残念でしたが、むしろよく準優勝までいってくれたという気持ちです。
確かに3バックというか5バックのような相手の守備に2トップ気味の前半は中盤の2人がうまくかみ合ってなかった印象で、対応が遅れてしまいましたね。

でも相手のカタールはすごくいいチームでしたので、もやもやしながらも楽しく見れました。
今後に期待したいと思います。





さて「革下駄」のお話。
吉靴房の商品で一番メディアに取り上げていただいた商品なので、吉靴房を草履屋さんや下駄屋さんと思っていたお客様もいたほどでした。




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もう20年近く前になりますが、イギリスやイタリアのハンドメイドの靴を作ってみたくなり、東京浅草の婦人靴メーカーに就職してとにかく何でもいいから靴を作りたいとがむしゃらに勉強している中で、履物っていろいろあるんだなと気がつきました。


自分でデザインして手作りして履いていただく。そんなことを夢見ていたのですが、そもそもデザインとは一体なんだろう・・・
靴とは一体なんだろう・・・
履物とは・・・
そんなことをそれこそ毎日毎晩一年中考えながら仕事と勉強をしていました。



そんな頃ある人に、「デザインは思いやりだよ」とその方の師匠の受け売りの言葉を聞き、なるほどな~と思ってその言葉の意味をしばらく考えていました。




思いやりは他人の心情や身の上などに気を配ったり、その気持ちをさす。









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わかるし、共感するし、反論したいわけではないけど、なんか足りないような気がする。。。




そんな考えを持ち、結果 ↓

「全局面的思いやりを作る物に反映」すればいいのではと考えるようになりました。



履物という道具を作って使ってもらうときの全局面とは、
履き心地、見た目、全体のバランス、製作過程、経験、知識、下地、ファッションとしての効果、素材、思想、気候などなど。




この全てに自分の持てる技術と経験と感覚を注ぎ込んで作る。
そう思ったときに、自分が本当に知っていることはイギリスでもイタリアでもない。。。
日本での生活、静岡県藤枝市での生活、好きで本を読みまくっていた日本史にかかわること、そして剣道なのだから、まずは日本の伝統的な形でもっとも好きな草履と下駄を自分なりに作りたいとの思いにいたりました。




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そしてもうひとつ、僕の中でとても大事にしていることである、全てが「定番」となること。
時代や流行に左右されない10年経っても20年経ってもその魅力が変わらないもの。

そんなデザインを作りたいという心意気が革下駄に自分なりにこめられています。







革下駄の実際の製法や形状などの解説は次回に!







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