「靴を作るが靴職人と呼ばれるのはちょっと・・・」つくりて野島と新人マキコのブログ

京都の手作り靴工房「吉靴房」で毎日手作りで靴を作る日々。 そして靴以外にも好きなものがあり、製作の合間の出来事も赤裸々に綴っていきます。 基本的にインドアなので、漫画、ゲーム、歴史、科学などなど。 靴作りと好きなことを中心に毎日更新します。 このブログは靴のつくりて野島とこれから初めて靴作りを学ぶ新人マキコの2人でお届けします。

タグ:地下足袋

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『お知らせ』

現在のオーダーメイド完成予定時期は
2024年1月末完成、2024年2月初旬お届け予定となっております。
お時間いただき申し訳ございませんがどうぞよろしくお願いいたします。

オーダー方法についてはこちらをご覧くださいませ。
http://kikkabo.livedoor.blog/archives/cat_323072.html


靴磨きも承っております。是非ご利用くださいませ。
http://kikkabo.livedoor.blog/archives/22615170.html
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こんばんは。野島です。


吉靴房の革靴はウォーキングにも使えますが、普段からずっと色々な自作のデザインを履いてるのでウォーキングの時には地下足袋を履くことにしました。


実は自分の足の形状的に地下足袋が合わなくて、素晴らしい履物だとは重々承知しているのですが、どうしても合わない。


だからといって製靴家としては何も手出しをしないというわけにもいかないので、改造してみることにしました。


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まず元々備わっている中敷をベースに厚いスポンジタイプのインソールを加工します。


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内径を変えるためにさらに革も少し足しました。



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そしてこの10年くらい前にSOU・SOUさんで購入した地下足袋。

このソールをグラインダーで削り、ワークブーツに使う厚いソールを貼り付けました。


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地下足袋ワークブーツスタイルの完成です。


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夜道のウォーキングでは全く普通の地下足袋ですが裏返すと・・・


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ワークブーツソールになっています。




削りにくく接地面の設定が難しかったので、改めて地下足袋のゴムソールは良い素材だなぁと思いました。


ウォーキングに使ってみたら履き心地は良好。


少しだけ内径を詰めすぎたので、親指の爪が当たる感じがあったので、追加でインソールの爪先を少し薄く加工しました。



これでウォーキングが快適になりそうです。



もうしばらくして慣れてきたら筋トレもやろうと思います。



それではまた明日。




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どうぞよろしくお願いします。
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今日は単皮(たび)の解説をしたいと思います。
こんばんは。野島です。




この商品は2011年京都デザイン賞SOU・SOUさんとのダブルネーム作品として出展し、入選いたしました。
当時まだまだ足袋の革靴なんて誰が買うの??なんてコメントをたくさんもらっていた頃だったので、入選という栄誉をいただきとても嬉しかったことを覚えています。




胡粉色
kichitabi00単皮 白



この靴に「単皮」と名付けたのは
①足袋型であること
②革製であること
③靴の基本要素を備えていること
以上の理由からです。





日本だからこそ誕生すべきデザインは何かと考えたとき、地下足袋と革靴を融合させることでこれまでになかった形が出来上がりました。


濡羽色
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靴の定義をあえて語れば、足を包む形で歩行に使う道具であり、靴底を備えていること。
爪先と踵と踏まず部に芯が入っているものを言います。
その中で最もフォーマルなものは黒の内羽根と呼ばれる短靴です。





足袋とは草履、下駄、雪駄などを履く際に用いるため、親指と人差し指で袋が二つに分かれているものを言います。

今では布製がほとんどですが、江戸時代初期までは革製が主でした。
「皮足袋」は武士を中心に合戦や鷹狩りなどに履かれていましたが、戦乱が収まるにつれて平時でも着用されるようになりました。


布製の普及で姿を消してしまいましたが、革靴屋こそが「革足袋」を作るべきだと思い製作しました。





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紐通し部分は五枚丈のところでも解説したわらじから着想を得た形状をしています。






靴の一番基本型といえる内羽根短靴と足袋の要素を兼ね備えたこの作品は、
伝統に新しい正装を提案したいという僕の出すぎた行為の第一歩というべきデザインです。






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おまけ


足袋を調べてみると、文献上平安時代から見ることができます。
その漢字は

「単皮」
「多鼻」
「旅」
「踏皮」
「足袋」

とたくさんあります。




日本人にとって身近で大切なモノであるとあらためて感じました。













いかがでしたでしょうか。
多鼻と書いた人はなかなか面白い発想を持ってるなと思いました。


是非一度「単皮」お試しください。


30年前のバレンタインデーにチョコを女の子にもらって、「あんたなんかにあげたくなんてないんだからね!」と言われ、当時はなんでそんな言われ方したんだろうと謎でしたが、ツンデレという言葉を知り納得した野島です。




毎日更新するなかで、吉靴房のデザインについて各製品の解説をしていきたいと考えるようになりました。実は10年以上自分の作品の解説をすることに照れがあり避けてきたのですが、何でもこのブログに書くと決めて取り掛かっているので避けては通れないという思いにいたりました。






今日は「五枚丈(ごまいたけ)」というデザインです。

日本をテーマに革靴を作る。このことを考えたとき、地下足袋がまず頭に浮かびました。
地下足袋を改めて解説しますと、
「甲を丈夫な布、底をゴムで作った、直接地面の上で用いる労働用の足袋のこと。
本来の意味から直足袋と総称する時期もあったが、今日では地下足袋が一般的である。
日本独自の履物で、母指が分かれているので踏ん張れるという利点があり、建設現場や高所での作業で欠かせない履物となっている」(百靴事典参照)




もはや説明は要らないほどの履物ですよね。
それほどこの形は名前を言っただけで形状が頭に詳細に浮かぶデザインです。




そもそも足袋は鎌倉時代に革足袋が登場し、江戸時代に布の安定供給ができるようになり布足袋が普及し、その後コハゼ足袋となりました。

コハゼは足袋の踵側をひっかけるように留める金具のことですね。昔は鯨のヒゲを細工して作られていたそうです。


このコハゼは大発明だと思います。このコハゼが五枚使われた足袋の丈。
すなわち五枚コハゼの足袋をモデルに「五枚丈」を作りました。






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コハゼが4枚の足袋もわりと一般的だと思いますが、礼装などで5枚のタイプを使用するのがマナーになっているケースがあるようで、革靴というフォーマルな雰囲気を持ったアイテムでは5枚コハゼをイメージして作るのがいいかなと思って製作しました。





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吉靴房の五枚丈はコハゼは使いませんでした。
完全に足袋と同じような留め方ですと、革靴の硬さではイメージ通り足をホールドすることができなかったというのがひとつ。それと革靴である以上、甲もホールドしたいと考えたからです。




甲と踵を同時に締めて固定するのにはどうしたらいいものか・・・
実は何年も考えて考えて考えて・・・・・


ふとわらじを見たときにこうしたらいいのかあああああ!と繋がって現在の形状になりました。

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踵の紐通し部分の位置は5mm上でも下でもなんか収まりが悪くここでないといけません。
ここの位置に決まるまでに何度も作ったので僕の靴箱には中途半端な靴がたくさんあります。笑





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足袋は白が最初にイメージされる色だと思いますが、そもそも革の足袋が先に登場したということと、昔は別珍やコールテンなどで作られた赤や緑の色足袋がたくさんあったということで、どんな色でも問題なし!といろんな色で作っています。





このわらじから発想を得た紐の通し方は、全体にホールドできるという利点のほかにもう一つ、脱ぎ履きがとても楽になるという嬉しい誤算がありました。



踵部に紐がクロスして通っているのですが、そこの部分の革が開くことでブーツなのに足をズボっと入れる事ができます。





脱ぎ履きが非常に多い日本の事情にも対応できたことで、更に胸を張ってお客様にお勧めできる商品となりました。



是非一度お試しくださいませ。







他のデザインでこんなに書けるかな・・・・
次回もがんばります!








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