3月のライオンという作品が面白くて面白くてもう7回くらい1巻から14巻まで読んで、HULUでアニメを5周くらい観ました。笑



13巻の136話での主人公零くんの台詞
「強くなるために弱いトコを探して一個ずつ修正していくだけの頭がヘンになりそうな作業を正気でコツコツ繰り返すだけの単純な話なんだ」


強くなるために弱いトコをの部分を「より良いものを作るために悪いところを」とすると僕のものづくりに全く同じように当てはまると思っています。


より良い履物をお客様にお届けできるようにコツコツと繰り返す。剣道ではそれができなかったのですが、それこそが一番大事なことと思い日々製作に打ち込んでいます。





革下駄は靴の技術の応用を多数使ってできているものなので、簡単にできそうでできないデザインです。かなり細かいテクニックが入っているので常に楽しみながらアップデートしながら作っています。


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ご覧いただくととわかるように鼻緒内側部分が本体とつながっています。
これはもともと最高級品の下駄が一本の丸太から削りだしていることからインスピレーションを得て、こういうデザインにしました。


5㎜ほどの分厚いヌメ革の本体からつながっているので指股が痛くならないように厚みを調節し、全体を面取りし、綿を入れた外側鼻緒部とミシンで繋げます。



この作業は気持ちよく履いて頂くために特に気を使うところです。


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もちろん包丁は常に最高の切れ味で。




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焼印はいつも緊張します。







ヌメ革の特徴を使い、一度全体を濡らして癖付けをして乾いてからソールと貼り合わせます。
この癖付け、貼り合わせはスタッフにも任せられない重要な工程。全て僕が仕上げます。




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最後の手縫い部分。
これは掬い縫いという特殊な縫い方をしています。


靴で掬い縫いをする場合は、見えない部分を縫うための技術なのですが、とても面白い技術なのであえて見えるように目立つように見せています。


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曲がった針を使いこの掬い縫いをして、ヒールを取り付けて完成となります。




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裁断の場所、向きや革の特徴も把握して作らないと仕上がりが悪くなるので、最初から最後まで全く気を抜くことができない商品ですが、作ること自体が面白い作品です。


教室でもほとんどの方が作ってみたいとチャレンジするこの革下駄
いかがでしょうか。