「靴を作るが靴職人と呼ばれるのはちょっと・・・」つくりて野島と新人マキコのブログ

京都の手作り靴工房「吉靴房」で毎日手作りで靴を作る日々。 そして靴以外にも好きなものがあり、製作の合間の出来事も赤裸々に綴っていきます。 基本的にインドアなので、漫画、ゲーム、歴史、科学などなど。 靴作りと好きなことを中心に毎日更新します。 このブログは靴のつくりて野島とこれから初めて靴作りを学ぶ新人マキコの2人でお届けします。

タグ:靴型

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オーダー方法についてはこちらをご覧くださいませ。
http://kikkabo.livedoor.blog/archives/cat_323072.html


靴磨きも承っております。是非ご利用くださいませ。
http://kikkabo.livedoor.blog/archives/22615170.html
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こんばんは。野島です。


靴型はいくつか種類があります。

今回の種類は爪先やヒールの高さの違いではなく、靴型自体の形式の話です。


靴製作の難しいところのひとつに、作ったことがないとわかりにくい部分として、靴型をどうやって抜くかということがあります。

力任せに抜こうとしても絶対に抜くことができないのです。


IMG_0687

足は人体のパーツの中で最も骨の数が多い複雑な構造をしています。
その為2足歩行ができるのですが、この複雑さのおかげで靴の脱ぎ履きが容易にできます。


ですが、靴型はそうはいきません。
靴を成形して、ソールを貼って、全部できあがったところで最後に靴型を抜くという工程があり、この抜く作業は、そもそも抜けるように靴型を作っておく必要があります。


IMG_1028

日本の靴製作で最も使われている「中折れ」式の靴型を吉靴房でも基本的に採用しています。



上の画像がそのタイプで、履いている靴を脱ぐ時と同じ様な動きをすることで靴型を抜くことができる形です。


一言でいうと、踵をあげることで靴から靴型を抜くという形です。



サンダルやサボ型はこういった折れ曲がる状態は必要ありません。
その他に「甲切り」という形状もあります。


こちらは予め切込みが入った甲の部分を強制的に外して擬似的に踵を抜くと同じ様なことができるようになっています。
靴型としては古くからある形です。

僕は木でできたサンプル用の靴型の時にこれを採用しています。
型紙が作りやすいところが一番の利点だと思います。



もう一種類新しい靴型の種類があり、「スライド式」というものがあります。


IMG_1041

これは中折れと逆に踵部分を内側にスライドすることで靴型を靴から抜くことができるものです。



これが最も新しく、靴を傷めない靴型を抜く方法なのですが、実は中折れ式が流通しすぎていて思ったほど確立しなかったとても残念な素晴らしい靴型です。


IMG_1042

利点は先ほど書いたように完成した靴を最も変形させず抜くことができるという部分なのですが、欠点として普及が遅かった為価格が高いということです。



ちょうどパンプス系のデザインを作ろうと思ったので、今回少し価格が高いですが、初めてスライド式の靴型を作りました。


吉靴房としては始めて採用したので、次の新作が楽しみです。



それではまた明日。


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進み具合は生徒さんそれぞれ全員違いますが、
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こんばんは。野島です。


ひの寸五としてヒールの足袋の靴が本格始動してから靴型を各サイズ揃え、それぞれのオーダーに取り掛かっています。


足袋の靴の難しいところは単純に爪先の釣り込みの難しさだけではなく、その下準備の量がとても多いことにあります。


足袋型の新しい靴型が届いて最初にすることは指股部分のチェックです。

IMG_0651

プラ型になって納品されるのですが、指股部分の面取り具合がいつも違うのです。
これは靴型屋さんが悪いのではなく、実はこの足袋の形はサンダル用の靴型を応用して製作しているという事情があります。サンダル用靴型ではこの部分や爪先の面取りをほぼしないのです。

特にトングサンダルの形状を業界では「ベンハー」と呼びます。
恐らく映画ベンハーが語源なのですが、正確にいうと、鼻緒型のサンダルの甲を留める部分のことをベンハーと呼んでいるようです。


そのベンハーサンダル用の靴型なので、ベンハーと呼ばれ、僕が足袋として作っている指股部分は通常は鼻緒の前ツボ部分が留まる場所です。


というわけで、本来サンダル用の切り込みを指股にできるように爪先も面取りして形成してもらっているのですが、指股内側部分まではやってもらえないので、吉靴房で加工しています。


伝わりましたか??
言葉だけだと難しいですが、気になる方は工房にお越しいただいたときにお尋ねくださいませ。



上記以外にも、アッパーの釣り込み部分の加工や糊の塗り方、専用のヘラの使用など通常の靴とはいろいろ違う工夫をしています。


なかなか表にでないことですが、このような小さな加工をきっちりすることで綺麗な足袋型の爪先形状を作ることが出来ます。


DSC00117

教室の生徒さんは是非挑戦してみてくださいね。

それではまた明日。


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こんばんは。野島です。


昨日少し遅れてしまったスリッパが無事ほぼ完成しました。

IMG_8006

ほぼというのは仕上げ材をまだ塗っていないからです。
月末に靴の仕上げとともに進めようと思っています。



先日爪籠内型の話をブログで書きました。
爪籠内型は一体型のアウトドアブーツに使うタイプのソールを装着しています。


積み上げヒールと違い、ソールを作ったら貼るだけのような感じなのでわかりにくいですが、ソールをポンと貼れるように下ごしらえが重要です。



IMG_7997

吉靴房の足袋型の靴型は土踏まずを支えるように出来ている為、そのままだと一体型のソールが変形してしまいます。



IMG_7998


画像のように中底に革を貼ってフラットに近くなるように加工してから釣り込みます。



IMG_8004

包丁で高さと厚みを整えて一体型のソールを貼りやすいようにしました。


中底の切り回しはこの後綺麗に仕上げました。






これ以外に、今回ちょっと珍しいですが、爪先と踵部分の両方を伸ばすというタイプのお客様がいらっしゃったので、その靴型の加工も進めています。


IMG_8005

ヌメ革を濡らして隙間が無いように靴型に貼り付け、乾いたら革包丁で整えます。

履き心地に直結する部分なので慎重に進めたいと思います。




IMG_8007

後は踵部分の芯である月型の加工です。

今日は厚めの漉き落としの革を漉きました。明日にでも貼り合せて月形にして使います。





いろいろ作業がありますが、常に新しい発見があり常にアップデートしながら進められるように頑張ります。




雨も多いし、夜は冷えるようになってきたので体調にも気をつけて仕事をしたいと思います。



それではまた明日。



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こんばんは。野島です。


吉靴房のオーダーは基本的な靴型がベースとしてあります。
これだけですとセミオーダーになってしまうのですが、足を採寸させていただき足の特徴を判断して、靴型に反映します。



IMG_7962

今日は踵部分を伸ばす処置をしました。
足の屈曲の場所と足長との関係性で足全体を伸ばす場合と、踵部分を伸ばす場合と様々です。


IMG_7963

片足だけ伸ばすこともありますし、両足とも必要なことがあります。

今日は踵を伸ばす部分をピックアップしましたが、幅を広くしたり狭くしたり、甲を高くしたりしてお客様に満足な履き心地をご提供できるよう様々なことをしています。

なるべく価格が上がらないようにしようと考えた結果、このような仕様をとっております。







夜は教室がありました。
生徒さんに美味しい差し入れをいただきホクホクです^^
いつもありがとうございます!


教室では靴を作る他にお互いの楽しい話や関西の良いところ、悩みや愚痴などいろんな話をさせていただき大変勉強させていただいております。


少しでも生徒さんに喜んでいただける教室になるよう努めていきたいと思います。



それではまた明日。



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こんばんは、野島です。




新しいチャレンジということで新木型での型紙に取り掛かっています。
何が新しいかというと、ヒールの作り方と高さが今までと最も大きな違いとなります。


手作りの範囲でなるべく作り上げたいので、今まで培った経験を活かしながら吉靴房流に作ろうと思っています。




IMG_6470

今までは積み上げヒールといって、革を積み上げて作るヒールでしたが、5cmほどの高さになると価格が高くなりすぎてしまうのが最大のネックでした。それを解消しながらいい形になるようなやり方を思いついたので取り掛かっています。




IMG_6469


型紙は木型に直接デザインを描いて、アルコアという透明シールに写してからクラフト紙に貼って、必要な部分を足して作ります。



IMG_6472


修正をいつでもできるように写しを用意して、紙でアッパーを作り木型にかぶせます。




IMG_6471

革と違って紙は皺がよるので、出て良い皺と悪い皺を見極めてなるべく無理なく靴型に沿うように仕上げます。





センターや反りの具合、靴型に沿わせる為の向きや力加減など、婦人靴メーカーで培った技術を総動員してあらゆるケースを想定して作ります。

僕は型紙を作るのが一番好きな工程なので、楽しくて仕方ありません。ずっとやっててもいいかなとスタッフに言ったりしています(笑)




今日はここまで、また続きを掲載していきたいと思います。








マキコさん誕生日おめでとう!今後ともよろしくお願いします!

こんばんは。野島です。




これも随分前から検討していたことでしたが、少し高めのヒールの靴型で靴を作るということについにチャレンジを始めました。




ヒールの高さは4.5cm。靴になったら5cmほどになると思います。
どうしても手作りであまり機械を使わず製作するので、高さのあるヒールに難しさがあるのですが、ちょっと試したい案を思いついたので、靴型の製作に着手しました。





IMG_6385



今後ラウンド型も作ると思いますが、まずは吉靴房のメインテーマの象徴である足袋型です。
写真は甲切りという甲部分が外れることで靴から抜くことができるタイプの木型です。




まずはファーストサンプルに取り掛かります。






センターラインを書いた後に底型に取り掛かります。

IMG_6443


僕はアルコアという透明シールを使って中底型をとります。型紙はいろんなやり方があるので、自分に合うやり方がいいと思います。





IMG_6444



底型を作ったら、中底を作って癖付けです。



IMG_6445

IMG_6452

明日からアッパーの型紙に取り掛かります。




もうデザイン画はいくつか描いてあるのでどれから取り掛かろうかな~とワクワクしています。
もうしばらく時間がかかりますが、ヒールをご希望だったお客様、是非楽しみにしていただければと思います。



IMG_6446

デザイン画はちょっともったいつけて完成品をまた今度(笑)
























こんばんは野島です。


教室の生徒さんがご自身で製作された靴で京都の寺社を巡り、「13,000歩も歩いたのに足に負担がが全然ないんですよ!」と超嬉しいご報告をしてくださいました。こういった感想をいただけると靴屋冥利に尽きます。ありがとうございます!






今日は吉靴房で使用している靴型についてのお話です。




吉靴房では現在4種類の靴型を使用しています。





●足袋型
●ラウンド型
●オブリーク型
●天先型





レザースニーカーの記事でも書きましたが、僕のこだわりのひとつで全ての商品を定番としたいというのがあります。




定番とは流行に左右されない基本的な商品ということになります。いつでもあることから台帳の番号が変わらないということからきた言葉ですね。








足袋型
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こちらは言わずと知れた日本の名作履物である足袋の形状です。
地下足袋との違いはあくまで革靴として作っていることです。地下足袋の起源としては足袋にゴムのソールをつけたところとなりますので、足袋のような全体のフィット感があります。

革靴と最も違う部分は「捨て寸」があるかないか。
捨て寸は足の爪先部分の前方に1cm~2cmほどの空間をいいます。
革靴は素材的に、そして先芯が入っているため爪先が硬いので、爪の辺りに密着しているとものすごく痛くなってしまいます。痛くならないように作った空間を捨て寸といいます。
書いていて気づきましたが、先芯のあるなしも大きな違いですね。








ラウンド型
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吉靴房立ち上げ前ですが、その頃から普段着と着物の両方に合うものが僕の靴作りのテーマでした。
その両方に合うというキーワードに必要だったのは適度なボリューム感。
シャープすぎると鋭い印象が出る上に、普段着や着物にボリューム負けしますし、適度なという部分である程度の可愛らしさを出したかったということ、フォーマルとデニムに合わせるにはどうするかを考えてこのような形状にしました。







オブリーク型
PB297637



ドイツの靴ブランドでよく見かける形状です。
人の足の形自体をデザインの元として作り上げた形です。
底はフラットに近い低寸で、爪先がゆったりした履き心地となっています。
畳の上で裸足で立ったときの開放感が感じられるような靴にしたいと思い作りました。





天先
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人類が辿ってきた履物の歴史で、どういうわけか世界中でみられる形状が、爪先が上に反りあがった靴やサンダルです。ローマでも南米でも西アジアでも中国でもエジプトでもなぜか必ず存在します。
理由のひとつとしては、恐らくですが権威の象徴だと思うのですが、履物として歩くときのローリング作用を出しやすくする役割もあったのではと思います。
文献があるわけではないので、誰か解明してくれませんかと思いつつ、自分なりの答えとしてこの二つのイメージを具現化した形です。
どんな民族テイストの衣装にも合わせることができる自負があります。
ちなみに天先は天に向かって反り上がるイメージから僕が名づけました。






つくりて野島は独立前に婦人靴のメーカーに勤めていました。百貨店の靴売り場で何百と並ぶ靴達。そのうち15ブランドほどを手がけているメーカーでした。
毎シーズン靴型を何十と作り、サンプルを作り、採用された靴型は各サイズ作られ、大量に生産されていく。そんなメーカーだったのですが、前に使われた靴型はよほどの大ヒットでない限り二度と使用されず、倉庫にしまわれ、入りきらなくなると夢の島に放り投げられる・・・




靴型は量産されるときに合成プラスチックを使用します。
恐らく最初はコスト削減や、リサイクルの精神があったのではと思うのですが、この靴型に使用することが最終段階のようで、もう使わなくなると捨てるしかないと先輩に告げられました。



どうしてもそれが僕の中で消化しきれず、独立してから絶対に靴型は捨てない!と固く誓い靴型をむやみに増やさないスタイルでやっています。



たった4型で今50デザイン以上作ってるのは実はこういう理由でした。
お客様にはこういう形があったらいいのにとか、もうちょっとシャープな靴型作って欲しいなと言われることもあるのですが、僕の中で納得できるまで考えさせてください。いつか作るかもしれません。






なかなかスタイルを変化させないのでもどかしさを感じるお客様もおられると思いますが、どうかご容赦くださいませ。僕自身が納得して製作に取り掛かるというのも吉靴房のあり方と思っていただければ幸いです。



今後ともどうぞよろしくお願いします!




















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