「靴を作るが靴職人と呼ばれるのはちょっと・・・」つくりて野島と新人マキコのブログ

京都の手作り靴工房「吉靴房」で毎日手作りで靴を作る日々。 そして靴以外にも好きなものがあり、製作の合間の出来事も赤裸々に綴っていきます。 基本的にインドアなので、漫画、ゲーム、歴史、科学などなど。 靴作りと好きなことを中心に毎日更新します。 このブログは靴のつくりて野島とこれから初めて靴作りを学ぶ新人マキコの2人でお届けします。

タグ:革靴

最近子供と行くカラオケが楽しいです。
こんばんは。野島です。




今日は吉靴房で使っている革について解説です。




革在庫



吉靴房では主に牛革と豚革、それとメイン素材として牛ヌメ革を使っています。

世の中には本当にたくさんの種類の革があって、それぞれの革屋さんが毎シーズン定番商品以外にファッション性の高いトレンド物を打ち出し、それが何色もあって目移りします。





革の種類としては、牛、豚、ヤギ、ひつじ、馬、ダチョウ、へび、とかげ、鹿、などなどたくさんの種類が存在します。それぞれ特徴の違いがあり一長一短といったところですが、今回は吉靴房で使っている革にスポットを当てて説明するので、細かくは省きます。






まずなぜ吉靴房では牛と豚の革しか使っていないのか。
これは革という存在が、人間が肉を食べた後でしか基本的に作られないからです。

要は捨てずに利用しているという状態です。
人間はどうしても他の生物から栄養を摂取しなければならず、これを美味しんぼでは原罪と呼んでいましたが、避けることができないことだと思います。


だからこそ、食べた部分以外もただ捨てるのではなく感謝の意識を持って使う。
革はそういう意味で、人間の英知の産物といえると思います。







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僕自身日常的に食べる肉は牛、豚、鶏で、それ以外は特別な機会がない限りなかなか食べる機会がありません。


そういった理由で靴屋としてつくりて野島が使う革は牛と豚のみとしています。



それも基本的にほとんど捨てることがないように裁断するということを目指しているので、上記の画像のような型入れになります。






そもそも「かわ」を革と表記することには意味があります。

皮は英語でSKIN
革は英語でLEATHER

の意味です。


すなわち、皮は皮膚やなめされていないもの
革は加工としてなめされているものということになります。








牛革は年齢と性別で種類が分かれます。



カーフ 生後6ヶ月くらいまでの子牛の革
キップ 生後6ヶ月から2歳くらいまでの中牛革
カウ  2歳以上の成牛革
ステア 生後3~6ヶ月以内に去勢したオスの成牛革
ブル  3歳以上の繁殖用オス牛の革



このように分かれています。若いほどキメが細かくて薄く、大きいほど厚くキメが荒いです。
吉靴房の商品のアッパー部分はほとんどキップを使っています。



カーフほど薄くなく強度があり、カウよりも肌目が決め細やかだからです。









ヌメ革とは植物タンニンなめしを施された革で、染色や塗装仕上げをしていない革のことを言います。



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表面に加工をしていないので、水を吸いやすいのですが、濡れた状態で成形するとそのまま乾いてその形がキープされる特徴があります。



それを利用したのが靴の中底や革下駄や、工房のランプシェードだったりします。



熱に反応しやすいというのも特徴で、低い温度での焼印がしやすいです。



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いかがでしたでしょうか。
吉靴房ではこういった形で革と接しています。
ご質問などございましたら、コメントいただければと思います。








ハンターハンターの連載再開はいつになるのでしょうか。
気になって仕方がない野島です。こんばんは。



革靴の基本的な形状に「内羽根」と「外羽根」というものがあります。
内羽根はバルモラルやオックスフォードと呼ばれる形で、外羽根はダービーやブラッチャーと呼ばれる形があります。



そもそも靴における羽根とは何かというと、足を入れやすくするために開く部分のことです。
紐靴であれば、紐通しがついている部分になりますね。




こちらは内羽根の短靴タイプ
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こちらは内羽根のブーツになります。
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ご覧いただいてわかるように紐通しの部分が、爪先から甲にかかる部分に対して下に入っている形状を内羽根と言います。形状から足を入れるときに広がるスペースがやや狭いので、全体的にすっきりとした印象になるので、フォーマルな雰囲気が出やすいデザインです。





吉靴房ではオブリーク型も使っているので、カジュアルな雰囲気にもなります。
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こちらは外羽根です。
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こちらは外羽根のブーツになります。
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ご覧のとおり外羽根は爪先から甲にかかる部分に対し、上に乗るような形状のことを言います。

こちらのほうが内羽根に比べて足を入れるときにガバッと開くことができるので脱ぎ履きがしやすくなる一方全体的にカジュアルな雰囲気のデザインが多いのが特徴です。



ワークブーツのようなタイプは外羽根がおおいですね。






正式なフォーマルでは更に細かく決まりごとがあるようですが、吉靴房では基本的に普段履きにしていただくように意識してデザインを作っているので、あまり細かいことを気にせず履いていただくのが嬉しいです。見た目のお好みで選んでいただければ、後はこちらでお客様の足にピタッとくるようにお作りしますのでお任せくださいませ。







おまけ



うちのスタッフがまだ教室の生徒さんとして来ている頃の作品。
羽根を文字通り羽根にしてデザインを作りました。

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カモをイメージしてデザインしたそうです。
後ろから見るとよくわかります。


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カモの形をした外羽根です!

30年前のバレンタインデーにチョコを女の子にもらって、「あんたなんかにあげたくなんてないんだからね!」と言われ、当時はなんでそんな言われ方したんだろうと謎でしたが、ツンデレという言葉を知り納得した野島です。




毎日更新するなかで、吉靴房のデザインについて各製品の解説をしていきたいと考えるようになりました。実は10年以上自分の作品の解説をすることに照れがあり避けてきたのですが、何でもこのブログに書くと決めて取り掛かっているので避けては通れないという思いにいたりました。






今日は「五枚丈(ごまいたけ)」というデザインです。

日本をテーマに革靴を作る。このことを考えたとき、地下足袋がまず頭に浮かびました。
地下足袋を改めて解説しますと、
「甲を丈夫な布、底をゴムで作った、直接地面の上で用いる労働用の足袋のこと。
本来の意味から直足袋と総称する時期もあったが、今日では地下足袋が一般的である。
日本独自の履物で、母指が分かれているので踏ん張れるという利点があり、建設現場や高所での作業で欠かせない履物となっている」(百靴事典参照)




もはや説明は要らないほどの履物ですよね。
それほどこの形は名前を言っただけで形状が頭に詳細に浮かぶデザインです。




そもそも足袋は鎌倉時代に革足袋が登場し、江戸時代に布の安定供給ができるようになり布足袋が普及し、その後コハゼ足袋となりました。

コハゼは足袋の踵側をひっかけるように留める金具のことですね。昔は鯨のヒゲを細工して作られていたそうです。


このコハゼは大発明だと思います。このコハゼが五枚使われた足袋の丈。
すなわち五枚コハゼの足袋をモデルに「五枚丈」を作りました。






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コハゼが4枚の足袋もわりと一般的だと思いますが、礼装などで5枚のタイプを使用するのがマナーになっているケースがあるようで、革靴というフォーマルな雰囲気を持ったアイテムでは5枚コハゼをイメージして作るのがいいかなと思って製作しました。





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吉靴房の五枚丈はコハゼは使いませんでした。
完全に足袋と同じような留め方ですと、革靴の硬さではイメージ通り足をホールドすることができなかったというのがひとつ。それと革靴である以上、甲もホールドしたいと考えたからです。




甲と踵を同時に締めて固定するのにはどうしたらいいものか・・・
実は何年も考えて考えて考えて・・・・・


ふとわらじを見たときにこうしたらいいのかあああああ!と繋がって現在の形状になりました。

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踵の紐通し部分の位置は5mm上でも下でもなんか収まりが悪くここでないといけません。
ここの位置に決まるまでに何度も作ったので僕の靴箱には中途半端な靴がたくさんあります。笑





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足袋は白が最初にイメージされる色だと思いますが、そもそも革の足袋が先に登場したということと、昔は別珍やコールテンなどで作られた赤や緑の色足袋がたくさんあったということで、どんな色でも問題なし!といろんな色で作っています。





このわらじから発想を得た紐の通し方は、全体にホールドできるという利点のほかにもう一つ、脱ぎ履きがとても楽になるという嬉しい誤算がありました。



踵部に紐がクロスして通っているのですが、そこの部分の革が開くことでブーツなのに足をズボっと入れる事ができます。





脱ぎ履きが非常に多い日本の事情にも対応できたことで、更に胸を張ってお客様にお勧めできる商品となりました。



是非一度お試しくださいませ。







他のデザインでこんなに書けるかな・・・・
次回もがんばります!








今月は
「Dr.STONE]
「ダイヤのA」
「龍帥の翼」
「ゴールデンカムイ」のコミックスを購入。課題は読む時間の作り方!




さて革製品についての質問の中で非常に多いものの一つが

「雨の日はどうしたらいいですか?」とか
「革製品は濡らしちゃダメですよね?」とか
「防水スプレーした方がいいですか?」


というような質問です。
これはものすごーく説明が難しいのですが、いきなり簡潔に答えを書くと、



「一般的なスムースの牛革は濡れても問題ないですが、乾かしてからの処置が大事です」



ということになります。





まずお伝えしたいのは、接客する側の長年のまずい説明が原因で絶対に雨に濡れてはいけないのでは・・・と思う方が非常に多いということです。



これは本当にお客様ではなく、接客する側の都合で事実がゆがめられてしまった残念なことだと思います。
革靴なのでまたは革製品なので雨の日はなるべく履かないでくださいね。
ってなことを聞いたことがありませんか?


これはある意味完全な間違いではないことがやっかいなセリフです。






確かに積極的に大雨の日に履くというのはお勧めできません。
でも急な雨のときに履き替えたりできない状況は日常的にあります。そんなときにまで履いてはいけないと思ってしまうと、天気予報で100%晴れ確定の時にしか革靴が使えなくなってしまいますね。



全然そんなことありません。
濡れても大丈夫なことがほとんどです。ほとんどというのは、革の種類やなめし方で絶対に濡らさないようにしていただきたい商品があるからで、その場合のみ店員がその説明をするべきだと思います。





ちなみに吉靴房ではあえて川に入って試したり、海に突入して試したりしています。
それでもケアの仕方で元通りになります。
海水はかなりハードだったのでお勧めはできません。笑






さて大丈夫というのはどういうことか。
要するに、乾かし方と乾いた後の処置によって問題がなくなるということです。
お手入れをして欲しいということですね。




お手入れは洗顔に似ていて、洗顔をイメージしていただくとわかりやすいです。
水で顔をパシャパシャ洗って放置すると、つっぱりますよね。


これは乾く過程で水分とともに油分などもいっしょに飛んでしまうからです。





革靴も同じなので、雨に濡れたら陰干しをする。(日に当てないでくださいね。シューキーパーがあるとよりよいです。)



乾くときに水分と油分などその他成分も乾燥する。



革の表面が乾燥してひび割れなどの直せない症状がでてくる。






顔がつっぱるのと同じ理屈で革が痛んでくるということになります。

洗顔後化粧水と乳液をつけることと同じような処置をしていただくとほぼ革は回復します。





革用のお手入れ用品で化粧水にあたるものは乳化製クリームです。
乳液にあたるのは油性クリームやミンクオイルになります。








革製品には洗顔と同じ感じでお手入れするをイメージしていただければ長くお使いいただけると思います。








もう一点、防水スプレーですが、使っていただくと汚れなどもつきにくくなったりしますので、シミにならないように全体にまんべんなく均一に定期的にしていただくといいと思います。

ただし、合わない革がありますので、必ず販売店にご確認くださいませ。






どうしてもわからない場合は直接吉靴房にお持ちいただき、遠慮なくご質問してくださいね。







お手入れに関してもこちらで承ることができますのでお申し付けくださいませ。


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昨日の日本代表の試合残念でしたが、むしろよく準優勝までいってくれたという気持ちです。
確かに3バックというか5バックのような相手の守備に2トップ気味の前半は中盤の2人がうまくかみ合ってなかった印象で、対応が遅れてしまいましたね。

でも相手のカタールはすごくいいチームでしたので、もやもやしながらも楽しく見れました。
今後に期待したいと思います。





さて「革下駄」のお話。
吉靴房の商品で一番メディアに取り上げていただいた商品なので、吉靴房を草履屋さんや下駄屋さんと思っていたお客様もいたほどでした。




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もう20年近く前になりますが、イギリスやイタリアのハンドメイドの靴を作ってみたくなり、東京浅草の婦人靴メーカーに就職してとにかく何でもいいから靴を作りたいとがむしゃらに勉強している中で、履物っていろいろあるんだなと気がつきました。


自分でデザインして手作りして履いていただく。そんなことを夢見ていたのですが、そもそもデザインとは一体なんだろう・・・
靴とは一体なんだろう・・・
履物とは・・・
そんなことをそれこそ毎日毎晩一年中考えながら仕事と勉強をしていました。



そんな頃ある人に、「デザインは思いやりだよ」とその方の師匠の受け売りの言葉を聞き、なるほどな~と思ってその言葉の意味をしばらく考えていました。




思いやりは他人の心情や身の上などに気を配ったり、その気持ちをさす。









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わかるし、共感するし、反論したいわけではないけど、なんか足りないような気がする。。。




そんな考えを持ち、結果 ↓

「全局面的思いやりを作る物に反映」すればいいのではと考えるようになりました。



履物という道具を作って使ってもらうときの全局面とは、
履き心地、見た目、全体のバランス、製作過程、経験、知識、下地、ファッションとしての効果、素材、思想、気候などなど。




この全てに自分の持てる技術と経験と感覚を注ぎ込んで作る。
そう思ったときに、自分が本当に知っていることはイギリスでもイタリアでもない。。。
日本での生活、静岡県藤枝市での生活、好きで本を読みまくっていた日本史にかかわること、そして剣道なのだから、まずは日本の伝統的な形でもっとも好きな草履と下駄を自分なりに作りたいとの思いにいたりました。




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そしてもうひとつ、僕の中でとても大事にしていることである、全てが「定番」となること。
時代や流行に左右されない10年経っても20年経ってもその魅力が変わらないもの。

そんなデザインを作りたいという心意気が革下駄に自分なりにこめられています。







革下駄の実際の製法や形状などの解説は次回に!








職人、そして靴職人という言葉は世の中でわりと認知されてるかなと思っています。

僕の仕事は靴を作ること。
なのでカテゴリーとしてお客様や取材のときに職人さんとか、靴職人と呼んでいただくことも多いです。


ですが、ずっと自分ではこの言葉に違和感を持っていて、職人とは違うような気がすると思ってるんですよね。


職人とは・・・
これってそれぞれイメージや定義が違うような、実は難しい言葉のような気がします。


お客様視点の職人と、我々製作者側の職人という言葉も微妙に違うと思いますし、ひとつのことの専門家を職人と呼ぶのでしょうが、例えば靴を作る人のことと、靴の裁断を専門とする人とでは少し違いますよね。雇われているか、個人事業主かでも違うと思います。


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ちなみに何かと話題の元貴乃花親方の息子の花田優一さんが言っている靴職人は、おそらくイタリア的なマエストロのイメージなのかなと思っています。これって宗教観にも影響を受けていると思うんです。



う~ん。考えすぎとよく言われますが、でも確かにものすごい腕前の専門職の方も確かにいらっしゃるので、少なくとも僕はその方々に全く届かないので職人と呼んでくださるのがどうも申し訳ないという感覚です。



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なので僕自身はいつか本当に靴職人と胸を張って自己紹介できるように日々精進の真っ最中ということでお願いします(笑)届かないからこそ頑張ります!






なんかこんな感じで始まってしまいましたが、漫画ゲーム大好きなので、好きなモノコトや気になることを書いていきたいなと。

実は職人さんのイメージがあるためか、僕のこと頑固者とか話しかけていいのかな的なことをそれこそ頻繁に言われたりするので、実は違いますということをここでブログとして残せたら嬉しいです。




イメージと違う!!なんていわないでくださいねw











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