「靴を作るが靴職人と呼ばれるのはちょっと・・・」つくりて野島と新人マキコのブログ

京都の手作り靴工房「吉靴房」で毎日手作りで靴を作る日々。 そして靴以外にも好きなものがあり、製作の合間の出来事も赤裸々に綴っていきます。 基本的にインドアなので、漫画、ゲーム、歴史、科学などなど。 靴作りと好きなことを中心に毎日更新します。 このブログは靴のつくりて野島とこれから初めて靴作りを学ぶ新人マキコの2人でお届けします。

タグ:木型

こんばんは、野島です。




新しいチャレンジということで新木型での型紙に取り掛かっています。
何が新しいかというと、ヒールの作り方と高さが今までと最も大きな違いとなります。


手作りの範囲でなるべく作り上げたいので、今まで培った経験を活かしながら吉靴房流に作ろうと思っています。




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今までは積み上げヒールといって、革を積み上げて作るヒールでしたが、5cmほどの高さになると価格が高くなりすぎてしまうのが最大のネックでした。それを解消しながらいい形になるようなやり方を思いついたので取り掛かっています。




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型紙は木型に直接デザインを描いて、アルコアという透明シールに写してからクラフト紙に貼って、必要な部分を足して作ります。



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修正をいつでもできるように写しを用意して、紙でアッパーを作り木型にかぶせます。




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革と違って紙は皺がよるので、出て良い皺と悪い皺を見極めてなるべく無理なく靴型に沿うように仕上げます。





センターや反りの具合、靴型に沿わせる為の向きや力加減など、婦人靴メーカーで培った技術を総動員してあらゆるケースを想定して作ります。

僕は型紙を作るのが一番好きな工程なので、楽しくて仕方ありません。ずっとやっててもいいかなとスタッフに言ったりしています(笑)




今日はここまで、また続きを掲載していきたいと思います。








マキコさん誕生日おめでとう!今後ともよろしくお願いします!

こんばんは。野島です。




これも随分前から検討していたことでしたが、少し高めのヒールの靴型で靴を作るということについにチャレンジを始めました。




ヒールの高さは4.5cm。靴になったら5cmほどになると思います。
どうしても手作りであまり機械を使わず製作するので、高さのあるヒールに難しさがあるのですが、ちょっと試したい案を思いついたので、靴型の製作に着手しました。





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今後ラウンド型も作ると思いますが、まずは吉靴房のメインテーマの象徴である足袋型です。
写真は甲切りという甲部分が外れることで靴から抜くことができるタイプの木型です。




まずはファーストサンプルに取り掛かります。






センターラインを書いた後に底型に取り掛かります。

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僕はアルコアという透明シールを使って中底型をとります。型紙はいろんなやり方があるので、自分に合うやり方がいいと思います。





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底型を作ったら、中底を作って癖付けです。



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明日からアッパーの型紙に取り掛かります。




もうデザイン画はいくつか描いてあるのでどれから取り掛かろうかな~とワクワクしています。
もうしばらく時間がかかりますが、ヒールをご希望だったお客様、是非楽しみにしていただければと思います。



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デザイン画はちょっともったいつけて完成品をまた今度(笑)
























こんばんは野島です。


教室の生徒さんがご自身で製作された靴で京都の寺社を巡り、「13,000歩も歩いたのに足に負担がが全然ないんですよ!」と超嬉しいご報告をしてくださいました。こういった感想をいただけると靴屋冥利に尽きます。ありがとうございます!






今日は吉靴房で使用している靴型についてのお話です。




吉靴房では現在4種類の靴型を使用しています。





●足袋型
●ラウンド型
●オブリーク型
●天先型





レザースニーカーの記事でも書きましたが、僕のこだわりのひとつで全ての商品を定番としたいというのがあります。




定番とは流行に左右されない基本的な商品ということになります。いつでもあることから台帳の番号が変わらないということからきた言葉ですね。








足袋型
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こちらは言わずと知れた日本の名作履物である足袋の形状です。
地下足袋との違いはあくまで革靴として作っていることです。地下足袋の起源としては足袋にゴムのソールをつけたところとなりますので、足袋のような全体のフィット感があります。

革靴と最も違う部分は「捨て寸」があるかないか。
捨て寸は足の爪先部分の前方に1cm~2cmほどの空間をいいます。
革靴は素材的に、そして先芯が入っているため爪先が硬いので、爪の辺りに密着しているとものすごく痛くなってしまいます。痛くならないように作った空間を捨て寸といいます。
書いていて気づきましたが、先芯のあるなしも大きな違いですね。








ラウンド型
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吉靴房立ち上げ前ですが、その頃から普段着と着物の両方に合うものが僕の靴作りのテーマでした。
その両方に合うというキーワードに必要だったのは適度なボリューム感。
シャープすぎると鋭い印象が出る上に、普段着や着物にボリューム負けしますし、適度なという部分である程度の可愛らしさを出したかったということ、フォーマルとデニムに合わせるにはどうするかを考えてこのような形状にしました。







オブリーク型
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ドイツの靴ブランドでよく見かける形状です。
人の足の形自体をデザインの元として作り上げた形です。
底はフラットに近い低寸で、爪先がゆったりした履き心地となっています。
畳の上で裸足で立ったときの開放感が感じられるような靴にしたいと思い作りました。





天先
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人類が辿ってきた履物の歴史で、どういうわけか世界中でみられる形状が、爪先が上に反りあがった靴やサンダルです。ローマでも南米でも西アジアでも中国でもエジプトでもなぜか必ず存在します。
理由のひとつとしては、恐らくですが権威の象徴だと思うのですが、履物として歩くときのローリング作用を出しやすくする役割もあったのではと思います。
文献があるわけではないので、誰か解明してくれませんかと思いつつ、自分なりの答えとしてこの二つのイメージを具現化した形です。
どんな民族テイストの衣装にも合わせることができる自負があります。
ちなみに天先は天に向かって反り上がるイメージから僕が名づけました。






つくりて野島は独立前に婦人靴のメーカーに勤めていました。百貨店の靴売り場で何百と並ぶ靴達。そのうち15ブランドほどを手がけているメーカーでした。
毎シーズン靴型を何十と作り、サンプルを作り、採用された靴型は各サイズ作られ、大量に生産されていく。そんなメーカーだったのですが、前に使われた靴型はよほどの大ヒットでない限り二度と使用されず、倉庫にしまわれ、入りきらなくなると夢の島に放り投げられる・・・




靴型は量産されるときに合成プラスチックを使用します。
恐らく最初はコスト削減や、リサイクルの精神があったのではと思うのですが、この靴型に使用することが最終段階のようで、もう使わなくなると捨てるしかないと先輩に告げられました。



どうしてもそれが僕の中で消化しきれず、独立してから絶対に靴型は捨てない!と固く誓い靴型をむやみに増やさないスタイルでやっています。



たった4型で今50デザイン以上作ってるのは実はこういう理由でした。
お客様にはこういう形があったらいいのにとか、もうちょっとシャープな靴型作って欲しいなと言われることもあるのですが、僕の中で納得できるまで考えさせてください。いつか作るかもしれません。






なかなかスタイルを変化させないのでもどかしさを感じるお客様もおられると思いますが、どうかご容赦くださいませ。僕自身が納得して製作に取り掛かるというのも吉靴房のあり方と思っていただければ幸いです。



今後ともどうぞよろしくお願いします!




















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