「靴を作るが靴職人と呼ばれるのはちょっと・・・」つくりて野島と新人マキコのブログ

京都の手作り靴工房「吉靴房」で毎日手作りで靴を作る日々。 そして靴以外にも好きなものがあり、製作の合間の出来事も赤裸々に綴っていきます。 基本的にインドアなので、漫画、ゲーム、歴史、科学などなど。 靴作りと好きなことを中心に毎日更新します。 このブログは靴のつくりて野島とこれから初めて靴作りを学ぶ新人マキコの2人でお届けします。

タグ:新作

こんばんは。野島です。


靴型製作、ヒール選定から始まり片足サンプルから修正→ファーストサンプル製作という一連の流れが一通り済みました。



ようやく新作ヒールデザイン完成です。



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長年ヒールデザインはずっとやりたくて考えていましたが、一番のネックはヒールの取り付け方法でした。
婦人靴メーカーに勤めていた経験から、機械で釘を打つという方法に負けない強度の取り付け方法の開発が長年の悩みでした。




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ヒールの取り付け方法はメーカーにいないとなかなか目にすることもありませんし、そもそもどのようにつけてあるのかも考えたことがないという方が大半です。




しかしながら、ヒールが突然外れたり、折れたりすると、怪我などの恐れがあり、その全ての責任をメーカーが請け負います。




作っている側の私からすると、歩き方なども原因の要因になったりすると思う部分もあるのですが、当然作った側の責任です。






ヒールは1本の太いビスと、4本の細い釘を中底から打ち込むことでその強度を保っています。




8cm以上のような高いピンヒールはヒール内部に金属のパイプが入っていて、中底から踏まず部分を補強するシャンクをビスが通りその金属パイプに突き刺さるようにして固定されることで強度が保たれます。






金属パイプやビスは確かに硬いです。








しかし、これはあくまで一般論ですが、普通に歩いているときで足に掛かる負担は1.2倍から1.3倍ほど、走ると約3倍、ジャンプして着地したときは約5倍ほどかかるといわれています。




体重50キロの方で、歩行中毎歩60~65キロ
          走ると150キロ
          ジャンプで250キロ


こんな感じに足に負担がかかっているそうです。




これを支え続ける足の構造は特筆すべきものだと思いますが、靴もその強度に耐える仕様にしなければなりません。







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そこで、メーカー時代の経験から、履き心地が良く、歩行に差し支えないヒールの高さで、デザインの幅が広く、ヒールのデザインも多数選ぶことのできる4.5cmに決めました。


ちなみにヒールは高くなれば高くなるほど、歩幅が狭くなり、歩行中の足が地面についている時間が長くなるという研究結果が出ています。



こういったことになりにくく、様々なデザインに対応でき、強度も保つことができる形状を選びました。

吉靴房では太いビス1本、やや細いビス4本の構成で革底とシャンクを通りヒールまで打ち込んであります。強度も通常のメーカー品以上となりました。






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今回の新作にあたり、新色でチャレンジしたかったということで、完成がこのタイミングになりました。






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まだ靴型が1足分しかないので、順番に製作しました。




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今までにない鮮やかな色合いの2足の完成です。




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まずはスタッフ宇都宮とマキコさんに試してもらって製品として発表できる段階になる予定です。







そして今回の経験を活かして、次のデザインと、足袋型ではないヒールデザインに取り掛かろうと思います!



是非楽しみにしてくださいませ!















こんばんは。野島です。




以前漉き機のことを書きましたが、それからもどうも調子がよくないことが続いたので、刃と砥石を同時に交換することにしました。





吉靴房立ち上げ以来13年目にして、同時交換は初めてのことです。





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本体をひっくり返していろいろパーツを外します。




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刃と砥石は新品と比べるとこんなに大きさが違います。




お掃除もして、全部付け替えて新しい砥石で新しい刃を研いで完了です。



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送りロール交換とベルト交換も先日したので、13年振りに多くのパーツが新品という状態になりました。





早速新作のアッパーを漉いて調子が戻ったので、これから一気にサンプル製作を進めて行きたいと思います。



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画像は折り込みする部分に補強テープを貼っているところです。



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明日からは折ったり、貼ったり、塗ったり、縫ったりというところになります。




こうやって進めていると、さらに他の新作を思いついて合間にデザイン画を描いたりしながら進めています。



小人の靴屋さんヘルプミー!といいたいところですが、きっと目の前で小人さんたちが手伝ってくれると、ああでもないこうでもないと指示を出してしまいそうなので、やっぱり他行ってください!



僕は全て自分と頼もしいスタッフと作業しますので!



というわけで頑張って新作製作致します!

























こんばんは。野島です。




月末の忙しさと月初の展示会でバタバタしておりましたが、残務が一通り落ち着いたので、新靴型での新作に再び取り掛かり始めました。





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一見すると以前書いたブログの時と同じように見えますが、靴型全体をかなり修正したので、型紙も同じく修正しました。






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今回はヒールも決まっているので、それに合わせた底型にも修正。




いよいよ裁断に取り掛かります。










実はこのタイミングで新しい色の革を入荷しました。

黄色です!




メインで使っている革がコーディネートの上で合わせやすいよう比較的落ち着いた色をチョイスしていたのですが、今回はギャッとした色になります。





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だいぶ鮮やかですが、仕上がりがとても楽しみです。






新作頑張ります!






こんばんは。野島です。



引き続き新作を進めています。今日は製甲、釣り込み、底付けまで進めました。


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最初のサンプルは片足のみ。左足を作ります。日本では一般的に型紙やサンプルを左足で作ることが多いですが、本場ヨーロッパでは右足が主流のようです。詳しくはわかりませんが、いろんな細かい違いがあるものですね。
和傘と洋傘も骨の出方が反対だし面白いものです。
上の写真は裁断をして漉きをし、折込芯を貼る為の線を書いたところです。



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力のかかる必要箇所に補強テープを貼ります。
写真は履き口部分の折込をしたあとになります。

そういえば関東では折込(おりこみ)といいますが、関西では呼び名が違うそうです。忘れてしまったのでまた思い出したらどこかで書きますね。






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裏革を貼りあわせたところです。裏革はミシンをかけた後に余分な革をさらうので5mmほど出して貼りあわせます。



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上げミシンをかけたところです。履き口のミシンは目立つので注意が必要です。ミシンは自分としては苦手な作業で人に見せれるようになるのに一番時間が掛かった作業です。今でも苦手意識があるのでとても気をつかいます。




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踵部分に月型芯を入れて、釣り込み開始。



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こんな具合になりました。
ちょっと修正箇所や検討すべき部分が見つかったので、今後に活かしたいと思います。





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癖付けしてあった革底にゴム底を貼って本体と接着し、圧着します。




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後はヒールというところまで進みました。



ここまでくると早く仕上げて履いてもらいたくなりますが、今日はここまで。


ヒールがつくとまた印象ががらりと変わりますのでお楽しみに。
引き続きがんばります!























こんばんは。野島です。




さて引き続き型紙を製作中です。
昨日元型を作ったのですが、ちょっと違う形でも作ってみたいと思ったので、別の形式でも作ってみました。



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今まで足袋の靴型は基本センターで縫い合わせるスタイルで製作してきました。それはもともと足袋や地下足袋がそういった作り方をしているからです。


地下足袋
(画像はSOU・SOUさんより)



今回の新作も最初元型をそのように作ったのですが、デザイン画と型紙をしばらくにらめっこしたり、センターラインを描いたり消したり縦にしたり横にしたりしていて、どうしても今回はセンター割りしない方法で作るほうが納得できそうだと思い作り変えました。





メリットとしては見た目がよりすっきりシンプルに見えるということになります。


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元型ができたので、それを甲型と裏型に展開していきます。
ちなみに元型は完成の状態のように、基本的には全てが繋がった状態の型紙、甲型はアッパーの表革の型紙、裏型は裏革用の型紙です。





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甲型から更に裁断用の型紙である断型を作ります。

今回の新作は最初から革底の仕様にする予定なので、裁断して水に濡らして癖付けもしました。




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今日はここまで。
デザインの名前はこれから考えます。




これは先丸の形状も作りたいと思っています。

どんな形になるかどうぞお楽しみに。




















こんばんは。野島です。


吉靴房のネットショップで11型13種類の商品を追加いたしました。
詳細な説明はまたいずれしますが、今回は追加した商品をドドンとご紹介します。




じょんじょん厚ヌメククリ
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じょんじょんというヌメ革製のぞうりに厚いヌメ革のベルトをつけました。

じょんじょん厚ヌメククリ(全ヌメ仕様)
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鼻緒もヌメ革の仕様になります。

革履堂々
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ミッドソールを赤に染めたりというリクエストにも対応できます。
是非お問い合わせくださいませ。

革履穏やか
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革履堂々と似ていますが、こちらは爪先が少しだけ丸めのレディース仕様となります。

深御沓
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御沓のブーツモデルです。
SOU・SOUさんでは濡羽仕様は裏革も黒を採用しています。

段々サボ(先丸)
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足袋のデザインで段々サボがあり、それをラウンド型で製作しました。

カードケース
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3つポケットがある名詞入れです。手縫いで仕上げました。


差掛
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足袋で草履を履いたときをイメージしてつくりました。

天先内羽根ブーツ
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靴型が目立つ仕様なので、シンプルな3つ穴ミドルカットブーツでも目を引くデザインとなっています。


みかがみ
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身をかがめたらすぐ履けるということから、みかがみと名づけたベルクロ仕様の短靴です。

メダリオン外羽根ロングブーツ
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長年リクエストがあったロングブーツを吉靴房流に仕上げました。

プレーン外羽根短靴
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どんな場面でも使えるシンプルな外羽根の短靴です。

プレーンダブルモンクストラップ
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お客様のリクエストから定番デザインのモンクストラップを製作いたしました。





いかがでしょうか。是非工房のショールームや個展会場で現物を履いてみてくださいね。
















こんばんは。野島です。


今日は漉き機のお手入れをしました。
もともと独立直前に中古で買った漉き機を、かれこれ12年以上使っています。




掃除はもちろん、刃や砥石の交換など定期的にいろいろ手をかけるのですが、今日は初めて送りロールの交換をしました。




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革漉き機は左から右に革が運ばれ、その動きの最中に革の端を削ぐようにして厚みを調節します。
右に運ぶ回転するゴムのパーツが送りロールといい、これも長年使うことで磨耗していきます。



実は2年位前から交換をどうしようかな~と検討していましたが、なんとか整備しながら使い、ついにどうにもならないところまできたので交換に踏み切りました。


上記の画像を見てもらうと一目瞭然。左がずっと使っていたもの、右が新品です。
大きさが全然違いますね。





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送りロールを外した状態がこの画像です。



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これはちょっと上からの画像。
回転する刃が剥き出しでちょっと怖いので、慎重に交換します。



刃に対してギリギリの距離と角度に調整して、油を入れて潤滑にし、再び元に戻しました。



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今日から今月分のオーダーのお品物を全部漉きをし始めています。
12年交換していなかった送りが変わったので、感覚が少し違うので、そのあたりを体感的に修正したり、微調整したりして進めています。


教室でも生徒さんに使ってもらうので、ちゃんと説明して怪我と失敗のないように進められるようにしていきます。





さて、そういうお手入れをしつつ、新作が完成しました。



名前は「挿げ羽根短靴」

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画像では少しわかりにくいかもしれませんが、一枚目の画像と二枚目の画像で、内側の羽根が替わっています。
ギボシという金具で付け替え可能な羽根になっています。




本体は大きな一枚のヌメ革でできていて、踵部を除くと一箇所縫うだけで製甲ができますが、踵の補強のためと色で楽しんでいただけるように、踵には別の革を選んでいただけるようなデザインにしました。



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鼻緒を挿げる、人形の頭を挿げ替えるという言葉から、挿げ羽根と命名しました。
ブーツも作りたくなってきました!






次の展示でお披露目しますので、是非お越しくださいませ。












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