「靴を作るが靴職人と呼ばれるのはちょっと・・・」つくりて野島と新人マキコのブログ

京都の手作り靴工房「吉靴房」で毎日手作りで靴を作る日々。 そして靴以外にも好きなものがあり、製作の合間の出来事も赤裸々に綴っていきます。 基本的にインドアなので、漫画、ゲーム、歴史、科学などなど。 靴作りと好きなことを中心に毎日更新します。 このブログは靴のつくりて野島とこれから初めて靴作りを学ぶ新人マキコの2人でお届けします。

タグ:天先

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『お知らせ』
現在のオーダーメイド完成予定時期は
1月末完成、2月初旬お届け予定となっております。
どうぞよろしくお願いいたします。

オーダー方法についてはこちらをご覧くださいませ。
http://kikkabo.livedoor.blog/archives/cat_323072.html


靴磨きも承っております。是非ご利用くださいませ。
http://kikkabo.livedoor.blog/archives/22615170.html
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こんばんは。野島です。


面白く難しいご依頼をいただきました。

撮影用で神職の方が履く浅沓のような雰囲気のデザインということで作りました。

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ご依頼いただいたときに見せていただいた昔の新聞の画像や、実際に着る衣装のイメージからこのようなデザインになりました。


浅沓は踵が非常に浅い為、甲の部分を引っ掛けて履くような形になります。
そのように履くと甲の部分が痛くなるので、絹の座布団型の甲当てが必要です。

それはご自身で製作されるとの事で、シンプルな形状のデザインにしております。


全身の衣装が揃ったところを早く拝見したいです。




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そしてもうひとつの迫力あるデザインは、普段から使っている天先の靴型にヒールを取り付けるというものになっております。


もともとひの寸五のデザインをご覧頂き、そのヒールを天先のデザインにしたいとのことだったのですが、一から靴型を作るとお値段が跳ね上がってしまうので、事情を説明し、今回のデザインにたどり着きました。


喜んでいただけると嬉しいです。


いろいろなご相談をいただきますが、なるべくお互いに納得できる様努力いたします。



何か気になる形やこんなことができないだろうかと思いついたら遠慮なくご相談くださいませ。


それではまた明日。



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革靴製作教室生徒募集


吉靴房で革靴や革製品を手作りしてみませんか。

型紙、革の裁断、ミシン、釣り込みなど全ての工程を、
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075-414-0121
nojima@kikkabo.jp

お問い合わせは野島まで。よろしくお願いします。
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吉靴房では足の採寸を広める活動をしていきます。
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ご興味ある方はご一報くださいませ。

nojima@kikkabo.jp
075-414-0121

どうぞよろしくお願いします。
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こんばんは。野島です。



今日は天先(てんさき)の靴型でのデザインである鋭応(えいおう)の紹介です。






このデザインを思いついた最初の出来事はフジテレビで放送された「女信長」という特別ドラマで主人公の信長を演じられる天海祐希さんが履く靴を依頼されたことでした。


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信長は積極的に海外の技術や珍しいものを好んで身につけ、基本的に分け隔てなく様々な人材を重用する人物でした。戦は情報を細かく精査して勝つ為の戦術と戦略を駆使するタイプの指揮官だと思います。現代的な価値観を持った政治家でもありました。







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そんな人物が実は女性だったという設定の原作小説から主役を天海祐希さんが選ばれドラマ化されたというお話を聞いて、原作のあらすじを読み、天海祐希さんのイメージと信長のイメージを考えた時に、少し前から取り掛かっていた新しい靴型である天先型がイメージに合うと思い、デザイン画を描きました。






名前は鼓舞するときの掛け声である「えいえいおう」から付けました。


えいえいは鋭、おうは応という意であることから鋭応です。





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えいえいおうは戦の前に使う掛け声でもあったようですが、勝ち鬨でも発するというイメージもあり、いずれも指揮官またはそれに準ずる立場の人間が最初に発するのではと思い、武士で指揮官クラス、新し物、珍しい物好きな人物が似合いそうな、かつ女性が履いても格好良いシルエットを追求しました。





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草鞋で採用されている足全体を包むような紐の使い方を採用し、動きやすさ、履き心地も良いブーツとなっています。





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革底も良い雰囲気です。

こちらは滑り止めを付けるのもオススメです。



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他の色でオーダー頂いたのもとても素敵な仕上がりでした。









五枚丈を天先でオーダー頂いて作りましたが、こちらも鋭応と似た雰囲気ですごく良かったので、これは吉靴房のラインナップに採用させていただきました。


ご提案いただきありがとうございました!



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いかがでしょうか。

鋭応は天先のデザインで最初にオススメしたいデザインです。
同じく五枚丈天先型もオススメですよ!


















こんばんは野島です。


教室の生徒さんがご自身で製作された靴で京都の寺社を巡り、「13,000歩も歩いたのに足に負担がが全然ないんですよ!」と超嬉しいご報告をしてくださいました。こういった感想をいただけると靴屋冥利に尽きます。ありがとうございます!






今日は吉靴房で使用している靴型についてのお話です。




吉靴房では現在4種類の靴型を使用しています。





●足袋型
●ラウンド型
●オブリーク型
●天先型





レザースニーカーの記事でも書きましたが、僕のこだわりのひとつで全ての商品を定番としたいというのがあります。




定番とは流行に左右されない基本的な商品ということになります。いつでもあることから台帳の番号が変わらないということからきた言葉ですね。








足袋型
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こちらは言わずと知れた日本の名作履物である足袋の形状です。
地下足袋との違いはあくまで革靴として作っていることです。地下足袋の起源としては足袋にゴムのソールをつけたところとなりますので、足袋のような全体のフィット感があります。

革靴と最も違う部分は「捨て寸」があるかないか。
捨て寸は足の爪先部分の前方に1cm~2cmほどの空間をいいます。
革靴は素材的に、そして先芯が入っているため爪先が硬いので、爪の辺りに密着しているとものすごく痛くなってしまいます。痛くならないように作った空間を捨て寸といいます。
書いていて気づきましたが、先芯のあるなしも大きな違いですね。








ラウンド型
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吉靴房立ち上げ前ですが、その頃から普段着と着物の両方に合うものが僕の靴作りのテーマでした。
その両方に合うというキーワードに必要だったのは適度なボリューム感。
シャープすぎると鋭い印象が出る上に、普段着や着物にボリューム負けしますし、適度なという部分である程度の可愛らしさを出したかったということ、フォーマルとデニムに合わせるにはどうするかを考えてこのような形状にしました。







オブリーク型
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ドイツの靴ブランドでよく見かける形状です。
人の足の形自体をデザインの元として作り上げた形です。
底はフラットに近い低寸で、爪先がゆったりした履き心地となっています。
畳の上で裸足で立ったときの開放感が感じられるような靴にしたいと思い作りました。





天先
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人類が辿ってきた履物の歴史で、どういうわけか世界中でみられる形状が、爪先が上に反りあがった靴やサンダルです。ローマでも南米でも西アジアでも中国でもエジプトでもなぜか必ず存在します。
理由のひとつとしては、恐らくですが権威の象徴だと思うのですが、履物として歩くときのローリング作用を出しやすくする役割もあったのではと思います。
文献があるわけではないので、誰か解明してくれませんかと思いつつ、自分なりの答えとしてこの二つのイメージを具現化した形です。
どんな民族テイストの衣装にも合わせることができる自負があります。
ちなみに天先は天に向かって反り上がるイメージから僕が名づけました。






つくりて野島は独立前に婦人靴のメーカーに勤めていました。百貨店の靴売り場で何百と並ぶ靴達。そのうち15ブランドほどを手がけているメーカーでした。
毎シーズン靴型を何十と作り、サンプルを作り、採用された靴型は各サイズ作られ、大量に生産されていく。そんなメーカーだったのですが、前に使われた靴型はよほどの大ヒットでない限り二度と使用されず、倉庫にしまわれ、入りきらなくなると夢の島に放り投げられる・・・




靴型は量産されるときに合成プラスチックを使用します。
恐らく最初はコスト削減や、リサイクルの精神があったのではと思うのですが、この靴型に使用することが最終段階のようで、もう使わなくなると捨てるしかないと先輩に告げられました。



どうしてもそれが僕の中で消化しきれず、独立してから絶対に靴型は捨てない!と固く誓い靴型をむやみに増やさないスタイルでやっています。



たった4型で今50デザイン以上作ってるのは実はこういう理由でした。
お客様にはこういう形があったらいいのにとか、もうちょっとシャープな靴型作って欲しいなと言われることもあるのですが、僕の中で納得できるまで考えさせてください。いつか作るかもしれません。






なかなかスタイルを変化させないのでもどかしさを感じるお客様もおられると思いますが、どうかご容赦くださいませ。僕自身が納得して製作に取り掛かるというのも吉靴房のあり方と思っていただければ幸いです。



今後ともどうぞよろしくお願いします!




















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