こんばんは。野島です。



先日ふとテレビをつけたときに、Eテレで放送中の「又吉直樹のヘウレーカ!」という番組で人はなぜ服を着るのかという話題でした。


吉靴房は革で履物を製作し、お客様に提供する仕事です。
ファッションにも健康にも関わる重要な仕事をさせていただいていると思って取り組んでいます。


もともと歴史を調べるのが趣味である僕はなるほどと思いながら番組を拝見しました。



ご出演されていた先生によると、
●今の人類は700万年前に誕生し、17万年前には服に相当するものを着ていたとのこと。

ちょっと情報を整理してみたいと思います。



700万年前 これは人亜族とチンパンジー亜族と分岐したと推定されている時代
400万年前 アウストラロピテクス
250万年前 ヒト族誕生
120万年前 体毛が薄くなってきたことがわかっている時代
 30~20万年前 現生人類がアフリカで誕生


こう見ると元々かなり長い間服を着ていない状態。つまり全身に体毛があって必要としていなかったということがわかります。



一説にはホモサピエンスが生き残った理由は、長距離を走ることができたからであるとのこと。

体毛が減っていく代わりに発汗機能であったり、皮膚呼吸機能などが進化して狩りの成功率が上がったと考えると興味深いですね。
道具を開発したのも、同時期のほかの人類と比べて身体能力が劣っていたためとの説もあります。そのあたりもとても興味があります。




ちなみに現存する生物のうち約90%がやく20~10万年前に誕生したという説もあります。
2018年5月、米ロックフェラー大学のマーク・ストークル氏とスイス・バーゼル大学のデービッド・セイラー氏の研究チームの学説です。




本当にこのような超突然変異時期がここに集中していたとしたら、衣類を纏う人類も何か大きなきっかけがこの時代にあったと考えても不思議ではないと思います。






話を戻します。

「なぜ人類は服を着るのか」


答えは一つになかなか絞ることができませんが、

●中東や暑い地域では猛烈な暑さから身を守る為
●ヨーロッパ周辺では寒さから身を守る為
●氷河期が来た為、寒さ対策が必要だった
●病気や怪我などにならないようにする為
●護符などの役割
●自分の所属を明らかにする為



このように少し考えただけでもいくつかの理由が考えられます。


上記の理由を一応纏めてみると、僕はこのように考えます。

「人間は外部から様々な影響を受ける為衣類を纏うようになった。
それは地域で異なり、その結果自身の所属を伝える役割も持つようになった」




その結果、
「何かから守る衣類からファッションに進化した」

このように考えられます。


暑い地域はヒラヒラした衣類を纏い、寒い地域は体にフィットするような衣装に進化したとも言えますね。
これは単に気温に対してのことだけではなく、その気候の影響を受けた宗教観なども考慮すべきだと思います。



ちなみに僕の考えでは、ヨーロッパの衣類の考え方は人中心。
日本の着物は素材中心に考えて製作されているからそれが形状に反映されていると思っています。



ファッションはなぜ必要なのか。これも明確にしておくのが大事と思います。
僕が考えるファッションとは、「関わる人や環境に対しての思いやりである」です。



流行などもある程度大事なことなのかなと思いますが、最も大事なのは文化の理解。
場面や周りに合った服装をすることが大事なことだと思います。

周りに何も関わっていなければ服を着る必要すらないからです。
でも人間は何かと関わりが全く無いという状況はありえないと思うので、これは言ってもあまり意味はなかったかもしれません。





ファッションに関わるものとして、日本人としてお客様の思いやりの一助になれるよう仕事をしていきたいと思います。




また今度履物や靴の歴史のことも書きたいと思います。