こんばんは。野島です。


今日はパンプスのお話。
日本では一般的に履き口のカットラインが広い婦人靴のことを言いますが、元々はオペラパンプスのように男女関係無く履かれているものでした。観劇用や社交パーティー用だったものがエレガントな雰囲気からか、女性用として認知されてきたものと思われます。




吉靴房では基本的にストラップ付の商品でパンプスを作っています。



実はいくつかバリエーションがあり、今日はそのちょっとした違いを画像でみていただこうと思います。




ストラップパンプス角エグリ
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現在メインで製作しているパンプです。
10㎜の美錠付ベルトで足首に近い甲部分を留めるタイプのデザインです。

エグリとは爪先側の履き口の形を指し、これは少し丸めの角型なので、角エグリといいます。




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赤のパンプスは何か特別な印象があり、とても可憐な見た目です。



マッケイ製法で作ることが多いですが、ステッチダウンもまた印象が変わっていいと思います。

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オプションでウェッジタイプのデザインにもできます。(吉靴房ではぽっくり底と呼んでいます)
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もうひとつのメインとしてストラップパンプス花弁エグリがあります。

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こちらはエグリが花びらをイメージしたカットラインになっています。

ベルトが甲を支えるようにできていて、こちらの方がスポっと脱ぎ履きしやすいようになっています。

爪先側と踵側をだいたい真ん中あたりで切り替えしているのが特徴です。


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前から見た印象と後ろから見た印象ががらりと変わりますね。












過去にはお客様のご要望でワークソールを装着したケースもあります。
これが可愛いのです。


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こちらはベルトが15㎜幅のご指定だったので、更に個性が出ていますね。









ネットショップには掲載しておりませんが、丸エグリもございます。

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過去にはこういったデザインもサンプルで製作しました。

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甲ベルトが斜めにカットされたデザインです。

これはまたベルトの位置などを調整して製品化できたらと思います。








パンプスはシンプルで製甲としては手数が少ない形状ですが、靴の基本を押さえたデザインとなっているので、型紙も靴もシンプル故の難しさがあり、これがいい形に作れないとプロとはいえないといっても過言ではありません。生涯をかけて腕を磨き、さらに良いものができるように心がけています。




婦人靴メーカー出身のつくりて野島ですので、アレンジを含めご要望がございましたら遠慮なくお申し付けくださいね。