「靴を作るが靴職人と呼ばれるのはちょっと・・・」つくりて野島と新人マキコのブログ

京都の手作り靴工房「吉靴房」で毎日手作りで靴を作る日々。 そして靴以外にも好きなものがあり、製作の合間の出来事も赤裸々に綴っていきます。 基本的にインドアなので、漫画、ゲーム、歴史、科学などなど。 靴作りと好きなことを中心に毎日更新します。 このブログは靴のつくりて野島とこれから初めて靴作りを学ぶ新人マキコの2人でお届けします。

カテゴリ: > 革下駄

こんばんは。野島です。



吉靴房の中で草履型の鼻緒サンダルは特別なものです。
そもそも独立前から作っていたものということもありますが、僕自身が子供の頃から最も気に入って履いていた履物だったというのが一番大きな理由です。




覚えている限りでは小学生の頃、靴の脱ぎ履きが面倒で、どこに行くにもゴム草履を履いていたこと。
夏の朝、岩城神社でのトレーニングにスニーカーではなくゴム草履を履いて行き、先生にも同期にも笑われたこと。


こんな思い出を書いているときに出てくるゴム草履は常に「じょんじょん」と呼んでいました。

PA090192


今思えば静岡はゴム草履の生産地として有名ですし、そもそも駿河の下駄の生産地としても有名です。


でも僕の地元ではぞうりのことを「じょんじょん」と呼んでいました。
同郷のみなさんそうでしたよね?






P4130928


この作品は地元でのこの呼び名から付けました。
吉靴房10周年のときのことです。






面白いもので今でもぞうりのことをじょうりと呼ぶ地域が全国に多くあります。
特に年配の方でじょうりと呼ぶ方が多いはずです。





潮田鉄雄著
ものと人間の文化史8「はきもの」にもその分布図が描かれていますが、全国各地、特に都会から少し離れた地域に多く残っています。




ただ、このじょうりという呼び方、軽率にぞうりの訛りと断言をしてしまうことは出来ません。




平安時代のから残る文献に、草履と浄履(じょうり)と両方見られるからです。
室町時代にも江戸時代にも両方文献が残っています。


僕の仮説ですが、日本における履物は、結界を出るものという意味合いもあることから、浄化するための履物という意味があって、この呼び名がついたのではと思っています。



藁草履と同じ素材の注連縄も結界の役割を持っています。
いかがですか?考えさせられますよね。



P4130939



このようなことに思いを馳せながら、このデザインは10周年記念作品として作り上げました。






革で履物を作る。
革で下駄を作る。
そして革でぞうりを作る。




つくりて野島としてはとても自然で、どうしても作りたかったデザインです。





P4170963


革下駄ですとボリュームがあって敬遠されていたお客様もこちらのじょんじょんは大変気に入っていただいております。



P4170967


細身のシルエットのボトムから太めのシルエットまで非常に相性が良いです。




PA090160





是非一度お試しくださいませ。






























    Share on Tumblr

こんばんは。野島です。


コパアメリカが現状ライブで観れないのでやきもきしております。コロンビアVSチリが観たい!!
ブラジルも調子が上がってきたみたいに見えるし。バタバタでグズグズのアルゼンチンが良くなっていく様も観たい!


ふぅ~。欲求を吐き出してみました。笑





さて、今日は革下駄の底付けと靴の積み上げヒールの作業をしました。

IMG_7024


ずらっと並んできたので僕の中でお楽しみの完成後全体写真がもうすぐです。






革下駄の底付けは靴型を使用しないので、どうもコツがいるようです。
というのは、僕自身は自分で詳細なイメージを持って作り上げた履物なので、革下駄の一番良い履き心地と見た目の両立が完全に出来ているのですが、スタッフや生徒さんにはその辺りが少し難しいようで、特にスタッフには詳細にイメージを伝えてもなかなか思った形になりません。


そんなわけで革下駄の底付けは必ず僕がやります。


IMG_7001

爪先をまず貼ります。


IMG_7004

爪先の位置を決めたら踵側の位置を決めます。


IMG_7006

爪先と踵の位置が決まったら、革下駄の生命線とも言える爪先のカーブを成型します。



IMG_7009

残りの部分をおにぎりの要領で成型しながら接着し、


IMG_7011

IMG_7013

ハンマーできっちり接着します。



インスタグラムで動画を撮ったので、良かったら見てみてくださいね。

其の一

其の二



ちょっと丸いお腹を上手く使うのがコツです。笑
そう、ちょっとです。ちょっとね。





革下駄は靴に比べて簡単に見えるようで、これなら一日でできますか?とか教室ですぐできますか?というご質問を割りと頻繁にいただきますが、靴の作業の応用編の集合体のような作品ですので、とても難しいです。


まずは1足基本的な靴を作ってから取り掛かるのをオススメしております。





是非とも教室でチャレンジしてみてくださいね!









    Share on Tumblr

こんばんは。野島です。


本日の教室で生徒さんの作品が完成しました。

安全靴をデザイン化した非常に珍しい作品です。
爪先に金属パーツを装着し、ビブラムワークソール仕様。紐の通し方もとても面白いです。



IMG_6803

IMG_6801

とても真面目で博識な生徒さんで、次々とすごい作品を手がけています。


PC092491

これも同じ生徒さんの作品です。
ノルウィージャンウェルテッド仕様の力作。初めての掬い縫いも素晴らしい出来栄えですね。






完成の瞬間を立ち会えるのは教室を運営していて最高の瞬間です。
生徒さんにはいつも大変勉強させていただいております。
いつもありがとうございます。至らないところも多々ありますが、今後ともどうぞよろしくお願いします。







今日は特注の革下駄をお客様にお渡しすることができました!
鼻緒をエイ革でとのご注文でした。



IMG_6763



エイ革を使っての作品は初めてだったのですが、鎧か何かですか!?ってくらい、鱗が硬く、加工に難儀しました。


お客様のお持込の材料なので、慎重にかつ頭をフル回転させて製作いたしました。



IMG_6766


基本食べることがある素材しか使わないというルールを設けている吉靴房なので、普段は牛と豚しか使っていないということを承知してくださっているお客様に、
「使う素材のことは知っているのですが、エイはどうですか?」とご相談を受けました。

エイか~と少し悩んでいたところ、
「エイヒレってどうですか?」
「ムニエルも美味しいですよね?」
と飛び切りの笑顔で口説かれ、





「美味しいです!」


とお答えし、お引き受けしました。






初めて扱う素材はとても勉強になり、刺激を受けます。
ご提案いただきまして本当にありがとうございました!


今後は吉靴房で普段からどういった形でエイ革を使うか考えたいと思います。



IMG_6804


もうね。超お似合いでした!
僕も欲しい!





またのお越しをお待ちしております!
ありがとうございました!

































    Share on Tumblr

こんばんは。野島です。


京都に帰ってまいりました。
今日は早朝に静岡から出発できたので、母のお墓参りをした後、伊勢神宮まで行ってから京都に戻ってきました。




久しぶりのお伊勢さん。あいにくの雨でしたが、大雨ではなかったのが幸いして、霧が出てさらに荘厳な雰囲気でした。




IMG_5963





IMG_5967




西陣界隈に店舗を構える吉靴房は今宮神社が氏神様となります。
「今宮五社」「五社今宮」とも称され、「五社」は伊勢神宮・今宮神社・春日大社・岩清水八幡神社・熊野大社を表すそうです。



上記のこともあって常に伊勢神宮は頭のどこかで意識していて、機会があればいつでも参拝したいと思っています。ひさしぶりに伺うことができました。




それともうひとつ。ご挨拶に伺いたいお店があったので行ってきました。
伊勢神宮の参道におかげ横丁という観光地としても有名な町並みがあります。
いろんなお店が江戸末期から明治初期のように再現されていて通るだけでも価値のある場所と思います。




IMG_5965


IMG_5968

こちらは超有名な赤福さんですね。




実はこのおかげ横丁内の「かみなりや」さんにて吉靴房の革下駄きんちゃくをお取り扱いいただいております。
おかげ横丁

かみなりや







吉靴房のきんちゃくはこちら↓
039







雨だったので商品が濡れない様に気をつけながら、ご挨拶に伺ってきました。
なかなか伺うことができなかったのですが、今日やっと叶いました。
伊勢神宮に隣接したおかげ横丁に商品を置いていただいて大変光栄です。


お伊勢参りに行かれる方は是非かみなりやさんにもお立ち寄りくださいませ!










    Share on Tumblr

3月のライオンという作品が面白くて面白くてもう7回くらい1巻から14巻まで読んで、HULUでアニメを5周くらい観ました。笑



13巻の136話での主人公零くんの台詞
「強くなるために弱いトコを探して一個ずつ修正していくだけの頭がヘンになりそうな作業を正気でコツコツ繰り返すだけの単純な話なんだ」


強くなるために弱いトコをの部分を「より良いものを作るために悪いところを」とすると僕のものづくりに全く同じように当てはまると思っています。


より良い履物をお客様にお届けできるようにコツコツと繰り返す。剣道ではそれができなかったのですが、それこそが一番大事なことと思い日々製作に打ち込んでいます。





革下駄は靴の技術の応用を多数使ってできているものなので、簡単にできそうでできないデザインです。かなり細かいテクニックが入っているので常に楽しみながらアップデートしながら作っています。


IMG_2800






IMG_2802


ご覧いただくととわかるように鼻緒内側部分が本体とつながっています。
これはもともと最高級品の下駄が一本の丸太から削りだしていることからインスピレーションを得て、こういうデザインにしました。


5㎜ほどの分厚いヌメ革の本体からつながっているので指股が痛くならないように厚みを調節し、全体を面取りし、綿を入れた外側鼻緒部とミシンで繋げます。



この作業は気持ちよく履いて頂くために特に気を使うところです。


IMG_2808


もちろん包丁は常に最高の切れ味で。




271





IMG_2805



焼印はいつも緊張します。







ヌメ革の特徴を使い、一度全体を濡らして癖付けをして乾いてからソールと貼り合わせます。
この癖付け、貼り合わせはスタッフにも任せられない重要な工程。全て僕が仕上げます。




284



最後の手縫い部分。
これは掬い縫いという特殊な縫い方をしています。


靴で掬い縫いをする場合は、見えない部分を縫うための技術なのですが、とても面白い技術なのであえて見えるように目立つように見せています。


IMG_2807




曲がった針を使いこの掬い縫いをして、ヒールを取り付けて完成となります。




IMG_2813



裁断の場所、向きや革の特徴も把握して作らないと仕上がりが悪くなるので、最初から最後まで全く気を抜くことができない商品ですが、作ること自体が面白い作品です。


教室でもほとんどの方が作ってみたいとチャレンジするこの革下駄
いかがでしょうか。











    Share on Tumblr

昨日の日本代表の試合残念でしたが、むしろよく準優勝までいってくれたという気持ちです。
確かに3バックというか5バックのような相手の守備に2トップ気味の前半は中盤の2人がうまくかみ合ってなかった印象で、対応が遅れてしまいましたね。

でも相手のカタールはすごくいいチームでしたので、もやもやしながらも楽しく見れました。
今後に期待したいと思います。





さて「革下駄」のお話。
吉靴房の商品で一番メディアに取り上げていただいた商品なので、吉靴房を草履屋さんや下駄屋さんと思っていたお客様もいたほどでした。




P5305894



もう20年近く前になりますが、イギリスやイタリアのハンドメイドの靴を作ってみたくなり、東京浅草の婦人靴メーカーに就職してとにかく何でもいいから靴を作りたいとがむしゃらに勉強している中で、履物っていろいろあるんだなと気がつきました。


自分でデザインして手作りして履いていただく。そんなことを夢見ていたのですが、そもそもデザインとは一体なんだろう・・・
靴とは一体なんだろう・・・
履物とは・・・
そんなことをそれこそ毎日毎晩一年中考えながら仕事と勉強をしていました。



そんな頃ある人に、「デザインは思いやりだよ」とその方の師匠の受け売りの言葉を聞き、なるほどな~と思ってその言葉の意味をしばらく考えていました。




思いやりは他人の心情や身の上などに気を配ったり、その気持ちをさす。









・・・・・・・・


・・・・・・・・



・・・・・・・・






わかるし、共感するし、反論したいわけではないけど、なんか足りないような気がする。。。




そんな考えを持ち、結果 ↓

「全局面的思いやりを作る物に反映」すればいいのではと考えるようになりました。



履物という道具を作って使ってもらうときの全局面とは、
履き心地、見た目、全体のバランス、製作過程、経験、知識、下地、ファッションとしての効果、素材、思想、気候などなど。




この全てに自分の持てる技術と経験と感覚を注ぎ込んで作る。
そう思ったときに、自分が本当に知っていることはイギリスでもイタリアでもない。。。
日本での生活、静岡県藤枝市での生活、好きで本を読みまくっていた日本史にかかわること、そして剣道なのだから、まずは日本の伝統的な形でもっとも好きな草履と下駄を自分なりに作りたいとの思いにいたりました。




056-001



そしてもうひとつ、僕の中でとても大事にしていることである、全てが「定番」となること。
時代や流行に左右されない10年経っても20年経ってもその魅力が変わらないもの。

そんなデザインを作りたいという心意気が革下駄に自分なりにこめられています。







革下駄の実際の製法や形状などの解説は次回に!







    Share on Tumblr

このページのトップヘ