「靴を作るが靴職人と呼ばれるのはちょっと・・・」つくりて野島と新人マキコのブログ

京都の手作り靴工房「吉靴房」で毎日手作りで靴を作る日々。 そして靴以外にも好きなものがあり、製作の合間の出来事も赤裸々に綴っていきます。 基本的にインドアなので、漫画、ゲーム、歴史、科学などなど。 靴作りと好きなことを中心に毎日更新します。 このブログは靴のつくりて野島とこれから初めて靴作りを学ぶ新人マキコの2人でお届けします。

2019年07月

こんばんは。野島です。



つくりて野島はとにかく鼻緒の履物が好きです。
足についてくる履物で、足に触れる面積が最小限で安定する履き心地を提供できる人類の大発明といえるのが草履、下駄、トングサンダル類だと思います。



素足の競技である剣道を子供の頃からやっていたことが大いに影響していると思いますが、日常生活の年間の約半分は自分で製作した鼻緒タイプを履いて過ごしています。


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左が革履堂々 右が革履おだやかと名づけました。




ぱっと見そっくりですが、爪先の形状と鼻緒の締め具合が少しだけ違います。

基本的に堂々の方は男性サイズ。
おだやかの方は女性サイズとなっております。





堂々の爪先がやや角張った印象に対し、おだやかは字の如く柔らかな曲線の爪先形状にしました。


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夏のワンピースタイプと非常に相性が良いです。






実はこの革履は革下駄じょんじょんに比べると履き心地が硬いです。
これは元々このデザインを作るにあたって、なるべく土に返る素材で作りたいと考えて製作したといういきさつがあります。



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本体部分を足が乗る部分と鼻緒まで全て完全に一枚で作っています。
革下駄やじょんじょんはソール部分に分厚いEVAを貼っているため、かなりクッション性があります。革履はソールもヌメ革、現代の道路事情を考慮し、薄いゴムを貼っていますが、クッション性は落ちます。





なるべく天然素材中心で作り上げ、地面に近い位置で歩くというコンセプトをご理解いただければと思います。






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計画では今年中か来年にはクッション性の高いソールを貼ったバージョンも製作したいと検討中です。





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黒ヌメでも製作可能です。

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黒ヌメだとはっきりとわかりやすいですが、革下駄やじょんじょんと一番の違いは鼻緒の上面が革の表面になり、足が乗る部分が裏面となっています。



これは足が滑ってしまうのを防ぐ為です。




ちなみに革下駄とじょんじょんは鼻緒外側パーツが綿を詰めてクッション性が高い為、革履より鼻緒の締め付けが強めです。



ヌメ革のみで構成されているこの革履は硬めに仕上げるため、馴染むのに時間がかかるためややゆとりのある締め具合になっております。





ぎりぎりまでナチュラルな天然素材で製作するということに拘った作品です。
是非お試しくださいませ。

























おはようございます!





聞いてください

なかなかない不運に見舞われました







ことゲームに関しては
一部で
幸運の女神と称されるほどの
強烈な運を持ち合わせているのですが



リアルでは
そうはいかないようで…( ̄∀ ̄;)








と、いうか

ネタになりそうな
笑える不運が多すぎる!笑












昨日ね
幕張に応援だったんです


応援に行く時は
だいたい電車移動なわけですが

普段は
メインが車移動なので
当然と言いますか

最寄り駅まで車で行き
駅の近くの駐車場を利用します






その駐車場はね
わりと古いんですよ

なので驚くべきことに
精算機が100円玉までしか使えない!





でもマキコは気付くのです

電車がくる時間もせまっている中
お財布の中に
小銭が入ってない…





仕方なく
駐車場に設置してある自動販売機で
ジュースを買うことにしました






千円札を入れてボタンを押す







ちゃりんちゃりんちゃりんちゃりん







お釣りが出てきます














あ…れ…?













ジュース出てこないんですけどおおおおおお












しかしながら
それにかまっている時間がなく(´・ω・`;)


千円札を崩すという
1番の目的は達成されたため

断腸の思いで
その場を後にしたのでした( ノД`)













実は
自動販売機にまつわる話が
もう1つありましてね


何年も前の話ですが
自宅から歩いていける距離の自動販売機

500円玉を握りしめ
コーヒーを買おうとしたら

お金を入れたのに
ボタンが光らず…!




釣り銭レバーをがしがししても
お金も戻らず…







500円玉わなくなるわ
ジュースは買えないわの

踏んだり蹴ったりの事件がありました!
















自動販売機なんか
だいっきらいだー!!
















さて
それではこの辺で!






また明日お会いしましょう(*´ω`)






 




こんばんは。野島です。


今月末完成予定分が特殊ミシンを終え、底付けと積み上げヒールという段階まで進みました。
明日からはラストスパートというところになります。



大型の特殊ミシンとお直しの専用ミシンだけ、外の業者さんにお願いしています。


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出し縫いミシンをかけたミッドソールのミシン目をハンマーで叩いて段差を馴染ませます。


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ソールを削って積み上げヒールを貼り合せます。

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貼ったら圧着して叩きます。
この後は高さを整えてトップリフトというゴムを貼ります。




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中敷には丁寧に焼印を押していきます。


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スタッフが各自持ち場を責任を持って取り組んでおります。





僕は靴型差し替えの物を新たに釣り込みしていました。
差し替えとは、靴型の数に限りがあるため先行して仕上げた靴の型を抜き、新たに違うデザインを作ることを指します。



今日はスタッフの写真を撮って、自分の作業風景を撮影するのを忘れました。







順調に進んだので、深夜に文庫サイズのブックカバーを試作してみました。

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今回もパッチワークでの試作です。


実は太宰治などの純文学の巨匠作品を大人になってから読んでいなかったので、ずっと読みたいと思っていたのですが、ついに購入しました。


太宰作品と合わせて、夏目漱石と芥川龍之介作品も。
3冊購入して、これだけのすごいボリュームで2,000円ちょっととはありがたい・・・。

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いろいろな厚みの文庫があるので、右側ページは折って栞になるようにやや長めに作ってあり、一般的な文庫サイズならフリーサイズで使えます。


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今日は取り急ぎ出来上がりサイズを確認したかったので、特に仕上げ材を使ったりしなかったですが、製品にするときは仕上げも重要になります。


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パッチワークの糸は完全に一筆書きの要領で、一本道で縫い上げています。
「繕い一筆ミシン仕上げ」と名づけます。たった今考えました。笑

革は様々な色を素材を貼り合せるので、糸はなるべく一回で仕上げたいと思っています。



次の梅小路公演手作り市に何個か持って行けそうです。
靴を作ったときにでる端材を使用するので、完全に1点モノ、二度と同じものは作れません。
是非手にとってご覧いただきたいと思います。





















おはようございます!



新発売の飲み物を見つけて

なんだか
とっても美味しそう!


衝動買いしました










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飲む前に
10回振って仕上げます





フロマージュとはチーズのこと
ラテとはミルクのこと

そこにイチゴ…!







絶対に美味しいはず(๑º ロ º๑)






そして
多くの女性が弱いであろう
「新発売」








飛びついちゃったよね…。笑














飲んだ感想は




とろっとして
イチゴの果肉がたっぷり
チーズのコク


ストロベリーレアチーズケーキを
そのまま飲んでるみたいでした!



とっても美味しかった♡\(*ˊᗜˋ*)/♡







ぜひお試しあれ♪




それではまた明日(*´ω`)








 

こんばんは。野島です。



Huluでなんとなく観始めた「月がきれい」というアニメ作品が非常に良かったです。
中学生の初めての恋を描いた作品です。


最近気づいたのですが、40代半ばの私。このようなピュアでリアルな恋愛物語が大好物のようでして、ちょっとしたすれ違いによる彼女の方の涙でウルウルしてしまいます。

主人公と彼女が少し目が合って顔を真っ赤にしているシーンを見るとそれだけで顔がほころんでいるらしく、スタッフに何微笑んでるの??って恐ろしく冷たい目で見られました。








自己分析をしてみますと、僕は小さい頃から剣道をやっていて、稽古から帰ってくると父親がNHKかプロ野球を観ているという状況でした。特にそれが嫌だったわけではないですが、同級生の話題には完全についていけない子で、小学6年生のときに光GENJIって何?とクラスの女子に聞いてドン引きされたことは今でも鮮明に覚えています。


簡単にいうとエンターテイメントに触れる機会がそう多いほうではなく、父が好きだったハリウッド映画は観ていたものもありましたが、それでも観ている量は少ないほうだと思います。

ちなみにディズニーもジブリもまともに観たのは30代半ばになってからです。
教室でこの話をしたら、ジブリファンの皆様方から愛のある叱責を受けました。


そんなわけでエンタメに触れずに大人になった僕は今、動画配信サービスの魔力に完全にはまり、ちょっとしたことで感動する毎日です。



前向きに締めますと、ピュアな心を忘れずひたむきな作品を作り続けたいと思っております!



























おはようございます!




面白いと思った漫画やアニメなどは
娘と共有することが多いのですが





2013年に大ヒットしたディズニー映画

「アナと雪の女王」



この作品も例外ではなく
娘と一緒に
DVDを繰り返し何度も観ました


どハマりすると
印象に残ったシーンや歌を
どちらからともなく
再現したりする私たちです…( ̄∀ ̄;)










昨日も

私より遅く帰宅した娘が
カギのかかったドアの前で

ノックするんですよね



とんっとんととんとん



そのノックの仕方ですぐに察した私
案の定
ドアの前で歌い出した娘にニヤニヤ。笑







雪だるま作ろう
ドアを開けて
一緒に遊ぼう
どうして
出てこないの?

前は仲良く
してたのに
なぜ会えないの?

雪だるま作ろう
大きな雪だるま










アパート住まいなのに
ドアの前で熱唱する娘。笑





しかしそこで返す私は



「あっち行って!アナ…」






すると娘が


わかったよー…









そこでようやく
カギを開けるのです



「ただいまー」

「おかえりー」



何事もなかったかのように
娘は部屋着に着替えるのでした








なんだこの親子は。笑


こうやって文字にしてみると
ちょっとおかしなことになってますね。笑





ほかにも

どちらかが
「お父さんっキャラメル」
と言い出すと


ジブリ映画の
となりのトトロの
セリフ合わせみたいなことが始まります。笑











でもこれが楽しいんですよね(*´艸`)

嬉しくもあり…ふふふ









これからも
こんな仲良しでいられたらいいなぁ♪












それではまた明日(*´ω`)








 

こんばんは。野島です。



完全に自分の中で盲点になっていたと言えばいいのか、灯台下暗しというべきか吉靴房のカテゴリーの説明をするのを忘れておりました。


わかりにくい、言いづらい、そもそも読めないなど、ありとあらゆる叱咤激励をいただいております。

今日はひとつずつカテゴリーを説明させていただきます。



ひとつ前提として、僕自身が言葉と言葉の音、言霊というとわかりやすいでしょうか。この言葉の音の周波数というのは精神に影響する部分があると考えています。
例えば「ありがとう」という感謝を伝える言葉。英語でThank you、スペイン語で Gracias、フランス語でMerci、イタリア語で Grazie、ポルトガル語で Obrigado などなど少しニュアンスが違えどほぼ似たような意味を持つ言葉は世界各地にあります。
この言葉は言われて基本的に嫌な感情を持つことがほぼないと思います。おそらく現代の人間が思っている以上に昔の人の感覚は鋭かったと思うので、そういう周波数を持つ音の組み合わせも言葉の形成に影響があったと考えています。

意味と音の感覚を両方考えてカテゴリーを決めました。
普段はあまりこういう説明は積極的にしてこなかったですが、こんな感じで考えたんだな~というくらいにご覧いただけたらと思います。




●沓履(とうり)

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吉靴房のメインカテゴリーになります。日本の伝統の延長線上に位置するデザインはここに入ります。
「沓」は重なる、重なり合う、そして靴の意味もあります。重なるは歴史に通じます。
「履」は一歩一歩着実に行う、踏みしめるという意味があります。

歴史を理解し、研究し、その重なった厚みをデザインとして表現する。一歩ずつでも着実に進め、それを履き、纏う。そんな意味を込めて考えました。



●稽靴(けいか)
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主にプロダクトデザインといえるようなデザイン群です。
「稽」は考える、物事を突き詰めて考え合わす、寄せ集めて引き比べるという意味があります。
剣道の練習は稽古といいますが、いにしえを考え突き詰めると考えると非常に納得の言葉です。

吉靴房の靴型を使ってのオリジナルデザインをこのカテゴリーとしていますが、そもそもオリジナルとは何なのかを考えた時、あらゆる経験と知識を寄せ集め自分の脳と感覚を通し出力すると考えました。
そもそも完全なオリジナルなど存在しないとも言えるのですが、つくりて野島なりに考えつくしたデザインとしての意味を込めました。



●おみな
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所謂レディースデザイン全般を意味します。
「をみな」は女性を表す言葉です。和語できみのみはイザナミの「み」で女性を表す意味です。

ちなみにネットでよく見かける君が代の君が男女の愛を意味するという説は間違いだと思います。間違いというか、これは割りと新しい説が流行していると思われます。君は大君、すなわち天皇にほかなりません。


翁に対しておみな。
大人の女性に是非使っていただきたいと願いこの言葉を選びました。



●奥妙(おうみょう)

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おうみょうは奥深く考えすぐれていることやさまを表します。
靴作りを指導するときに一般的な靴のデザインで応用編の最後でロングブーツをやることが多いです。それだけいろいろな基本的なことを深く知ることで作り事ができるデザインだと思います。
そういった意味を込めて付けました。


●淘靴(とうか)

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定番型デザインのカテゴリーを表します。
「淘」には不純物を取り分ける、選り分けるという意味があります。

靴型を使った靴の製作はヨーロッパで諸説ありますが、約500~600年ほど前に始まったとされます。これ自体ははっきりとわからないのですが、型を使って引っ張って沿わせるとなんだかいい感じの袋状のものが出来、これに底材を付ければ靴になると考えた天才がいたことは間違いありません。

そしてその天才的発想から近代までにありとあらゆるデザインが考え出され、選び出された基本デザインがあります。

内羽根や外羽根という形状もそのようにして出来てきました。

先人の経験があるからこそ、今つくりてとして私が靴屋を営むことができることは明白で、後から産まれて携わることができる幸運を感じるのでこのような名前にしました。




●結い物(ゆいもの)

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ダブルネームやコラボレーションデザインを意味します。


結びというのは非常に大事な言葉で、2つ以上のものやことが関係しあうことで、1つを超える新たな何かが生まれると思います。

様々なブランドさんやセレクトショップ、スタイリストさんや関係者などとの繋がりの中から生まれたデザインという意味を込めました。


映画「君の名は。」で三葉のおばあちゃんである一葉が語った台詞。


「糸を繋げることもむすび」

「人を繋げることもむすび」

「時間が流れることもむすび。全部神様の力や」

組紐で「時間」が繋がった二人

「わしらのつくる組紐もせやから、神様の技。時間の流れそのものを表しとる」

「縒り集まってかたちを作り、捻れて、絡まって、時には戻って、途切れて、また繋がり...」

「それがむすび。それが時間」



この言葉を映画館で聴いた時、深く納得しました。
結ぶということの力は個をいとも簡単に凌駕すると思います。


私にとって結い物は非常に大事なデザインと言えます。
そんな意味を込めて名づけました。








いかがでしょうか。
デザイン別カテゴリーはちょっとわかりづらいだろうなと思いましたが、様々な思いと意味を込めて考えました。

お客様にはそんなに気にしていただかなくても全く問題ないことですが、スタッフにはよく理解してもらえると嬉しいです。



疑問質問などございましたら何でも出来る限りお答えいたしますので、遠慮なくお尋ねくださいませ。
今後とも吉靴房をどうぞよろしくお願いします。

















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